原書はMannen som gick upp i rok(1966)、刑事小説、第四作、第一作ときて第二作。原書から改めて訳されているシリーズだ。既読作品にくらべ若干スケール感が小さいのと、犯人の犯行動機に同情しづらい感に苛まれた。順追って他作も読もう。舞台の中心となるハンガリー(匈牙利)の風光明媚なところであろうが、当時は社会主義国だったようだし、ソ連を中心として蹂躙された歴史をもつ国、一度行ってみたい。
内容(「BOOK」データベースより) 夏休みに入った刑事マルティン・ベックにかかってきた一本の電話。「これはきみにしかできない仕事だ」。上司の命で外務大臣側近に接触したベックは、ブダペストで消息を絶った男の捜索依頼を受ける。かつて防諜活動機関の調査対象となったスウェーデン人ジャーナリスト。手がかりのない中、「鉄のカーテンの向こう側」を訪れたベックの前に、現地警察を名乗る男が現れる―。警察小説の金字塔シリーズ・第二作。