『戦争の深淵 (コレクション 戦争×文学)』大岡 昇平ほか(著) 2017
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木曜日

(コレクション 戦争x文学)シリーズから8作品目。戦争のテーマとしては切り口は多種あるのですが、大枠のテーマとして挙げるのなら、「強姦」、「人食」でしょうか。ほんとうにそんなことってあったのですか、なんて聞いては行けません。戦争は人間を獣にした上で戦場に送り出します。獣は獣、欲求の赴くまま、いつ果てるかも知れない命、生き延びるため、何でも人間は出来るのです。動物ですから。しかし、戦後、強姦や人食をした人は、一生、誰に言うことも出来ず、悪夢にうなされ、何年・何十年経とうが、色褪せることなく記憶から薄れることもないのです。戦争がなければ、そのような経験をせずに済んだものを。決して綺麗事で粉飾することはできない事実に目を向けましょう。考えましょう。

大岡昇平  『捉まるまで』
富士正晴  『童貞』
有馬頼義  『分身』
古山高麗雄 『白い田圃』
田村泰次郎 『裸女のいる隊列』
遠藤周作  『海と毒薬』
平林たい子 『盲中国兵』
田口ランディ 『死の池』
武田泰淳  『ひかりごけ』
浅田次郎  『雪鰻』
梁石日   『さかしま』
宮原昭夫  『炎の子守唄』
吉村 昭  『遠い幻影』
金石範   『乳房のない女』
◎詩歌 秋山 清『象のはなし』 栗林一石路(俳句) 鈴木六林男(俳句) 渡辺白泉(俳句) 長田 弘『吊るされたひとに』 井上光晴『屍体の実験』 岡井 隆(短歌) 馬場あき子(短歌) ◎川柳 鶴彬 他

コレクション 戦争x文学   
現代編 テーマ編
1 朝鮮戦争 11 軍隊と人間
2 ベトナム戦争 12 戦争の深淵
3 冷戦の時代 13 使者たちの語り
4 9.11変容する戦争 14 女性たちの戦争
5 イマジネーションの戦争 15 戦時下の青春
- 近代編 - 地域編
6 日清日日露の戦争 16 満州の光と影
7 日中戦争 17 帝国日本と朝鮮・樺太
8 アジア太平洋戦争 18 帝国利本と台湾・南方
9 さまざまな8.15 19 ヒロシマ・ナガサキ
10 オキュパイドジャパン 20 オキナワ終わらぬ戦争

戦争の深淵 (コレクション 戦争×文学)
大岡 昇平ほか

4081570124

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アジア太平洋戦争 (コレクション 戦争×文学)
日清日露の戦争 (コレクション 戦争×文学)
コレクション 戦争と文学 別巻 〈戦争×文学〉案内 (コレクション戦争×文学)
ヒロシマ・ナガサキ (コレクション 戦争×文学)
冷戦の時代 (コレクション 戦争×文学)
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登録情報
単行本: 736ページ
出版社: 集英社 (2013/1/4)
言語: 日本語
ISBN-10: 4081570124
ISBN-13: 978-4081570126
発売日: 2013/1/4

商品の説明
内容紹介
戦争が引きずり出した人間の深い闇の奥底
戦争はむき出しの暴力のみではない。戦争文学は戦場、戦闘、殺戮を描くもののみではない。より深く「人々を貶める魔物」──性暴力、生体実験、カニバリズム等。個人や国家の隠蔽を暴く作品群。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大岡/昇平
1909(明42)・3・6~88(昭63)・12・25東京生。京大仏文科卒。29年4月、河上徹太郎、中原中也らと同人誌「白痴群」創刊。44年6月、臨時召集により出征、7月、フィリピン・マニラ着。8月、ミンドロ島サンホセで暗号手の任務に就く。45年1月、マラリアにかかり、山中を彷徨中に米軍の捕虜となる。レイテ島で敗戦、12月帰還。48年2月「俘虜記」を「文学界」に発表。翌年、同作品で横光利一賞受賞。52年2月「野火」(読売文学賞)刊

富士/正晴
1913(大2)・10・30~87(昭62)・7・15徳島生。旧制三高(現・京大)中退。高校一年の31年11月、奈良に志賀直哉を訪ね、詩人竹内勝太郎を紹介され師事する。32年10月、野間宏、桑原(のち竹之内)静雄と同人誌「三人」創刊。高校中退後、家庭教師、大阪府職員、編集者などの職に就く。44年3月応召、中国に出征。華中より華南の桂林近くまで行軍。江西省南昌市で敗戦。46年5月復員。47年10月、島尾敏雄、林富士馬ら九人で同人誌「VIKING」創刊。51年6月「敗走」を「群像」に、65年2月「徴用老人列伝」を「文学界」に発表。71年、大阪芸術賞受賞

有馬/頼義
1918(大7)・2・14~80(昭55)・4・15東京生。第一早稲田高等学院(現・早大高等学院)中退。37年9月、初の作品集「崩壊」刊。40年応召、満洲に渡り43年除隊。同年、同盟通信社(現・共同通信社)の記者となる。44年「晴雪賦」で国民演劇脚本情報局賞受賞。45年、戦前農相だった父頼寧が戦犯指定で巣鴨に拘置され、全財産を差し押さえられる。生計のため、ビルのガラス磨きのかたわらカストリ雑誌に小説を書きとばす。54年「終身未決囚」で直木賞受賞

古山/高麗雄
1920(大9)・8・6~2002(平14)・3・11新義州生。旧制三高(現・京大)中退。1942年10月応召、翌年よりマニラ、マレー、ビルマ、中国雲南省を転戦。44年10月、マラリアで野戦病院に入院、翌年2月退院。プノンペン、サイゴンを経て、5月、ラオスの俘虜収容所に転属、敗戦。46年3月、戦犯容疑で拘置、翌年11月復員。50年から出版社数社を経て、67年「季刊芸術」編集専従となる。69年、初の小説「墓地で」を「季刊芸術」に発表

田村/泰次郎
1911(明44)・11・30~83(昭5)・11・2三重生。早大仏文科卒。学生時代は主に、評論を「詩と詩論」などに発表。33年5月、坂口安吾、北原武夫、矢田津世子らと同人誌「桜」創刊。36年、武田麟太郎の「人民文庫」執筆グループに加わり、7月から翌年1月まで「大学」を連載。40年5月応召、11月再応召、敗戦まで中国北部を転戦。46年2月復員、帰郷。8月頃上京(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)






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