『伝道の書に捧げる薔薇』ロジャー・ゼラズニイ(著) 2017
6/10
土曜日

時代小説を読む割合が高いのが一年以上続き、SF小説から多少遠ざかっていた。本書も未読棚で数年眠らせていた。時代小説とSF小説では、あからさまに違う。つまり、小説の一列ずつ、一文字ずつ解釈して翻訳して映像化させるときのプロセスで活躍させる脳の働く部位は違うのである。SF小説畑の勘を取り戻す、といえばいいだろうか。本書は1963年~1968年に各SF誌に掲載されたもの。半世紀以前も前であるので、宇宙の解明さや技術もドレダケ進歩発展したかと思えば、時代的に古くさい箇所もあるが、扱っているテーマはどきっとするほど斬新的である。

【集録】
 1 その顔はあまたの扉、その口はあまたの灯
 2 十二月の鍵
 3 悪魔の車
 4 伝道の書に捧げる薔薇
 5 怪物と処女
 6 収集熱
 7 この死すべき山
 8 このあらしの瞬間
 9 超緩慢な国王たち
 10 重要美術品
 11 聖なる狂気
 12 コリーダ
 13 愛は虚数
 14 ファイオリを愛した男
 15 ルシファー

伝道の書に捧げる薔薇 (ハヤカワ文庫 SF 215)
ロジャー ゼラズニイ 浅倉 久志
4150102155
登録情報
文庫: 433ページ
出版社: 早川書房 (1976/11/13)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150102155
ISBN-13: 978-4150102159
発売日: 1976/11/13
内容紹介
火星の荒涼たる大地に刻み込まれた歴史と伝承――はじめて地球人としてその神秘を垣間見た若き詩人と、美しい舞姫との間に芽生えた、悲しくも美しい愛の詩「伝道の書に捧げる薔薇」、金星の大海原に潜む巨大魚竜イッキーとの死闘を詩的に描き、ネビュラ賞を受賞した「その顔はあまたの扉、その口はあまたの灯」など、アメリカン・ニュー・ウェーブを代表する作家ゼラズニイによる初期の代表作15篇を収録した珠玉の短篇集



Copyright (C) 2017 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.