『戦雲の夢』司馬遼太郎(著) 2017
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月曜日

土佐の藩主、長曾我部盛親を主軸に据えた小説らしい小説といえよう。というのは司馬氏の作品にしては時代背景の解説が少なく、盛親の藩主として、男としての心の葛藤を抉っていて、なかなか吹っ切れない自分に戸惑い、そして「何がほんとうの自分なのか」探しあぐねるのである。

時代は、元親から藩主を受け継ぎ、関ケ原、17年の牢人生活を経て、大阪冬の陣、夏の陣を駆け巡る。関ケ原の役で、取りつぶしとなった土佐の長曾我部は家老以下、散り散りとなってしまう。土佐は二二万石を山内藩に明け渡すのであるが、幕末の長曾我部組の郷士たちの倒幕への伏線として、この時のエネルギーが爆発することになる。関ケ原で領土を縮小された長州、毛利家、辛くも温存された薩摩、島津も同様であった。

レジェンド歴史時代小説 戦雲の夢 (講談社文庫)
司馬 遼太郎
4062933314
登録情報
文庫: 544ページ
出版社: 講談社 (2016/3/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062933314
ISBN-13: 978-4062933315
発売日: 2016/3/15
内容(「BOOK」データベースより)
土佐二十二万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原の戦いで西軍に組したため、一介の牢人の身に落ちた。謫居を京都に定めた盛親は、再起の野望を密かに育む。大坂冬ノ陣を機に立ち上がり、夏ノ陣に旧臣五千人とともに血戦へと臨むのだが―乱世の運命に翻弄された悲運の武将を鮮やかな筆致で描いた傑作!








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