『酔って候』司馬遼太郎(著) 2017
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金曜日

氏の歴史小説の中で、
 土佐(高知):山内容堂、
 薩摩(鹿児島):島津久光、
 伊予宇和島(愛媛):伊達宗城、
 肥前(佐賀):鍋島閑叟
が登場する四篇集である。それら大名にスポットを当てたことで氏の作品から読み知り得ていたことより、更に深く人物像を解せたように感じた。その中の一篇、宇和島の蒸気船開発を命ぜられた嘉蔵が主役、宗城が脇役の本作品は秀悦である。嘉蔵(前原巧山)の苦労話が異質で、されど絶賛・共感を味合わせていただけた。1965年作品である。

酔って候 (1965年)
司馬 遼太郎
B000JADXM8
登録情報
-: 301ページ
出版社: 文藝春秋新社 (1965)
ASIN: B000JADXM8
発売日: 1965
商品パッケージの寸法: 19.8 x 14.4 x 2.4 cm
内容(「BOOK」データベースより)
幕末の混迷期、なす術を知らない三百諸侯のなかで、自らの才質をたのみ、また世間の期待を集めた「賢侯」たち。かれら土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、伊予宇和島の伊達宗城、肥前の鍋島閑叟は「藩主なるがゆえに歴史の風当りをもっともはげしく受け、それを受けることによって痛烈な喜劇を演じさせられた」。



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