『武士の娘』杉本 鉞子(著) 2017
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日曜日

長岡藩家老、稲垣家に生まれた明治六年生まれの著者、エツ妨と子供の頃は呼ばれていた。彼女が結婚後、夫の仕事の都合で米国に渡り、米日の違いや、武士の娘として厳しく躾けられた由緒正しい育ちが、米国に身を置く中で日本人として誇りと感じる事、逆に日本では信じられぬ作法と受け取られること、など。日本の伝統を湛えながらも、米国には伝わりにくい、理解されがたい風習・文化、また日本の伝統がねじ曲がったまま伝わっていたことも多かったのであろう。日本の躾け、文化、武士として幕末・御維新を幕府側、賊軍として生きた父の家系にあって、凜たる生活様式も格式があって興味深く読めるだろう。

武士の娘 (ちくま文庫)
杉本 鉞子 大岩 美代
4480027823
登録情報
文庫: 384ページ
出版社: 筑摩書房 (1994/01)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480027823
ISBN-13: 978-4480027825
発売日: 1994/01
内容(「BOOK」データベースより)
杉本鉞子は、1873年、越後長岡藩の家老の家に生れ、武士の娘として厳格に育てられた。結婚によりアメリカに住むようになり、すべてがめずらしく目新しい暮らしの中で「武士の娘」として身につけたものを失うことなく、また自分にとじこもることもなく、みごとに自立した考えを身につける。今日に通じる女性の生き方を見る上にも、当時の風俗や生活のありさまを知るためにも、高い価値をもつ。



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