『死者たちの語り (コレクション 戦争×文学)』
小川 未明、夏目 漱石、井上 ひさし、石田 耕治、中井 正文(著)、その他
2017
2/20
月曜日

(コレクション 戦争x文学)シリーズから5作品目。死者とひとくくりに言っても千差万別、死後も魂といいましょうか、その気持ちが生物的に朽ち果てるのではなく、精神性として残るとして、愛する子や肉親への見守り系、この世に言い残した未練系、苦しみを解かれたい苦痛系とある。他にも分類できそうだが。僕がお薦めしたいのは、昔読んだこともある独特な異質作品「芋虫」、井上ひさしの戯曲「父と暮らせば」、奥泉光「石の来歴」、目取真俊「水滴」あたりか。薦めたい一書である。

小川未明  『野ばら』
夏目漱石  『趣味の遺伝』
江戸川乱歩 『芋虫』
小島信夫  『小銃』
安部公房  『変形の記録』
三橋一夫  『夢』
真杉静枝  『深い靄』
吉屋信子  『生死』
江崎誠致  『帰郷』
船越義彰  『カボチャと山鳩』
井上ひさし 『父と暮せば』
石田耕治  『流れと叫び』
中井正文  『名前のない男』
色川武大  『蒼』
三枝和子  『夾竹桃同窓会』
小川国夫  『聖女の出発』
奥泉 光  『石の来歴』
浅田次郎  『遠別離』
目取真 俊 『水滴』
◎詩歌 鮎川信夫『死んだ男』 石原吉郎『葬式列車』 加藤楸邨(俳句) 秋元不死男(俳句)  草野心平『マンモスの牙』 木俣 修(短歌) 山中智恵子(短歌) ◎川柳

コレクション 戦争x文学   
現代編 テーマ編
1 朝鮮戦争 11 軍隊と人間
2 ベトナム戦争 12 戦争の深淵
3 冷戦の時代 13 使者たちの語り
4 9.11変容する戦争 14 女性たちの戦争
5 イマジネーションの戦争 15 戦時下の青春
- 近代編 - 地域編
6 日清日露の戦争 16 満州の光と影
7 日中戦争 17 帝国日本と朝鮮・樺太
8 アジア太平洋戦争 18 帝国利本と台湾・南方
9 さまざまな8.15 19 ヒロシマ・ナガサキ
10 オキュパイドジャパン 20 オキナワ終わらぬ戦争


死者たちの語り (コレクション 戦争×文学 13)
小川 未明 夏目 漱石 井上 ひさし 石田 耕治 中井 正文 色川 武大 三枝 和子 小川 国夫 奥泉 光 浅田 次郎 目取 真俊 江戸川 乱歩 小島 信夫 安部 公房 三橋 一夫 真杉 静枝 吉屋 信子 江崎 誠致 船越 義彰
4081570132
登録情報
単行本: 728ページ
出版社: 集英社 (2011/11/4)
言語: 日本語
ISBN-10: 4081570132
ISBN-13: 978-4081570133
発売日: 2011/11/4

内容紹介
耳を澄ませ、いま死者たちが甦り、語りだす
戦いで死んだ者たちが、いま静かに語りだす。語ることのみが死者となった者の唯一の武器。生者はその魂の叫びを聞き書き記す。小川未明、漱石、井上ひさし、目取真俊そして詩歌まで広範囲に収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小川/未明
1882(明15)・4・7~1961(昭36)・5・11。新潟生。早大英文科卒。中学時代、回覧雑誌に和歌や漢詩を発表したり、時事問題を論じたりした。大学では坪内逍遙に師事、卒業論文は「ラフカディオ・ハーンを論ず」。卒業後、島村抱月の勧めで新しい児童文学興隆のために「少年文庫」を編集、童話も書くが一号で廃刊。1907年、第一創作集「愁人」刊。新聞、雑誌記者の職に就くが、09年、筆一本となり、生活は困窮する

夏目/漱石
1867(慶応3)・1・5(太陽暦2・9)~1916(大5)・12・9。江戸(現・東京)生。東大英文科卒。1889年、東大の予備門である第一高等中学本科一年の時、正岡子規と知りあう。92年4月、徴兵に関連し北海道に移籍し、北海道平民として一戸を創立する。大学在学中、東京専門学校(現・早大)講師、93年、大学院に在籍しながら高等師範学校(現・筑波大)で英語教師を勤める。95年、愛媛県尋常中学(現・県立松山東高)に英語教師として赴任

江戸川/乱歩
1894(明27)・10・21~1965(昭40)・7・28。三重生。早大大学部政経学科卒。学生時代にポーやドイルの探偵小説に出会い翻訳を試みる。1916年大学卒業。六年ほど十数種の職業を遍歴した後、23年「二銭銅貨」を「新青年」に発表。その後たてつづけに短編作品を同誌に発表する。24年、専業作家として立つ決心をし、翌年「D坂の殺人事件」「心理試験」発表。探偵小説作家のパイオニアとして、創作のかたわら海外の作家作品を紹介したり、内外の作家作品を評論

鮎川/信夫
1920(大9)・8・23~86(昭61)・10・17。東京生。早大英文科中退。37年、詩誌「若草」に投稿した詩により中桐雅夫に勧められ「LUNA」に参加。39年、第一次「荒地」を森川義信らと創刊。42年、近衛歩兵第四連隊に入営、翌年4月スマトラへ出征。44年6月、傷病兵として内地送還。45年2、3月に福井の傷痍軍人療養所で「戦中手記」を執筆。12月上京、46年、詩作再開。47年、北村太郎、田村隆一、黒田三郎、中桐らと第二次「荒地」創刊

石原/吉郎
1915(大4)・11・11~77(昭52)・11・14。静岡生。東京外国語学校(現・東京外国語大)独語部貿易科卒。38年受洗。39年応召、翌年、大阪歩兵連隊内大阪露語教育隊に配属され、41年関東軍情報部に転属、ハルビンで敗戦。ソ連軍に抑留され、各地の収容所を転々とする。スパイ容疑で二五年の重労働刑を受けるが、スターリン死去による特赦で53年に帰国。三九歳で詩作を始める。投稿詩を鮎川信夫に認められ、58年「荒地」同人となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)







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