『明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』原田伊織(著) 2017
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月曜日

ちょっと異質感を放ちながらも、歴史に埋もれた事実(史実)を暴き出しているのか、正しい歴史認識をしているのか、教科書で教わらないこと、司馬史観の一部があたかも史実と捉え違いしている事柄(彼の小説は史実も大事にしているが時代小説だという認識が必要、あくまで小説は作者の妄想で作り上げるものである)もあるやもしれぬ本書である。著者の批判に時には反感を惹起せれることもある。しかし、吉田松陰の思想や、それらに染まった長州郷士、百姓・漁師が長州の倒幕の起爆剤で、そして火薬庫であった。この長州のテロリズム、極悪非道な振る舞いが痛々しい。本当の武士ならばしないであろう、郷士に引き摺られる農民達。戦利品の強奪、強姦・殺戮などの人間ではない悪行数々の地獄絵図。しかし、会津藩は京都守護職を命ぜられながら、奮闘しつつも、賊軍の汚名を浴びせられ、会津での籠城、そして斗南(北斗の南、これ以上北はないという下北半島の当時の斗南藩を指す)への放追。暗澹たる貧困の暮らしぶりは何たることだろう。明治維新というのは戊辰戦争前後を指す、または西南戦争まで(範囲は複数説あるが)の時期をいうのだが、徳川幕府を倒した薩長土備に明確な国家ビジョンは無きに等しいものだった。

こういう一文が紹介されていた。1986年、山口萩が会津に友好都市の申し出をした。会津は「まだ120年しか経っていない」と萩市の申し入れを却下した。120年経っても癒えない傷、怨。親から子へと言い伝えられているのだろう。何があったのか知っておくべきでしょう。(”べき”表現は好きではないのだが) これほどのことが何故起きたのか、そのような路線を何故歩んだかも学べるでしょう。

※写真の鶴ケ城は2013年5月に訪れた時のもの

明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト
原田 伊織
490162282X
登録情報
単行本: 319ページ
出版社: 毎日ワンズ; 改訂増補版 (2015/1/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 490162282X
ISBN-13: 978-4901622820
発売日: 2015/1/14
内容(「BOOK」データベースより)
いまも続く長州薩摩社会。偽りに満ちた「近代日本」誕生の歴史。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
原田/伊織
作家。クリエイティブディレクター。昭和21年京都・伏見生まれ。近江・佐和山城下、彦根城下で幼少年期を過ごし、大阪外国語大学を経て広告、編集制作の世界へ。現在も、マーケティングプランナー、コピーライター、クリエイティブディレクターとして活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)






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