『アイム・ファイン』浅田次郎(著) 2016
12/20
火曜日

JAL機内誌のエッセイとして綴ったものの単行本化第二弾。浅田次郎氏の本はたくさん読んでいるが、彼は名エッセイストでもあろう。「笑いのツボ」「いざないのツボ」をプロの作家ながら、プロの香りを感じさせないようなサリゲナサで突く、とゆうよりは、むしろ撫でるが如くであって所作が曲者なのである。多少、自虐的ネタも多いが、文末の一行でエッセイを更に引き立てる手法が際立つ。
 ・アンチテーゼをきちんと収斂させ型に嵌めるもの。
 ・文中の要旨を反復させるもの。
 ・文脈とは無関係な”おかず”的な挿入センテンスにスポットを当てるもの。
 ・自慰な風合いでオチとしてスパイラル的スパイスを効かせているもの。

これらは読み手からすると快意・快絶を催すのである。

アイム・ファイン! (小学館文庫 あ 18-2)
浅田 次郎
4094086439
登録情報
単行本: 258ページ
出版社: 小学館 (2010/1/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4093878900
ISBN-13: 978-4093878906
発売日: 2010/1/28
内容紹介
「鉄道員」で直木賞を受賞したベストセラー作家によるエッセイ集。
JAL機内誌「SKYWARD」人気連載中の旅エッセイ「つばさよつばさ」の単行本化第2弾です。
第1弾は2007年に単行本『つばさよつばさ』として刊行し、2009年10月に同名タイトルで小学館文庫より刊行。好評を博しています。
今作品も前作に引き続き旅をテーマにした一冊。ベストセラー作品『蒼穹の昴』の中国ロケで起きたこととは?(『西太后の遺産』)、
熊本で出会った""しろくま""の正体とは?(『しろくま綺譚』)など笑いあり、涙ありの浅田節が存分に描かれています。






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