『昭和史 1926-1945』半藤一利(著) 2016
11/22
火曜日

著者が講義の形で話をした15回をベースにしている。昭和という時代に戦後迄を幅広くも、多量の主要人物を登壇させ判りやすく解説している。文末の戦争における教訓は「何を得たのか?」「得るべきだったのか?」「それを活かせているのか?」の視点が鋭利だろう。また、軍最高司令となる元帥の役割を担う昭和天皇の苦悶、意見が多数あり、私は昭和天皇に対する見方が多少、プラスに転じた。しかし、軍令部、大臣級の上層組織には、日本の将来を見据えてどうあるべきだ、ここはこのように判断すべきと理念・自説を備えた人もいれば、過大な自信と奢り、都合の悪いことは起こらないと信ずる神懸かり的信念、自分(組織)都合にしか目が向かぬアホもたくさんいた。その輩達は自責の念、苦痛を感じることなかったのか。そして真っ当な人は左遷されたり、あほらしくなって止めていったり。舵取りをする人物は自国の将来をきちんと正しき方向に誘導できなければならないし、また組織内を説得でき、国民に共感させることができる人でなければならない。
※本書でも解説されているが、盧溝橋事件(1937(S12))を訪れたときの写真(2002.5)

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)
半藤 一利
4582766714
登録情報
単行本(ソフトカバー): 548ページ
出版社: 平凡社 (2009/6/11)
ISBN-10: 4582766714
ISBN-13: 978-4582766714
発売日: 2009/6/11
 内容(「BOOK」データベースより)
授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。日本人はなぜ戦争を繰り返したのか―。すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒など、本書に記された5つの教訓は、現在もなお生きている。毎日出版文化賞特別賞受賞。講演録「ノモンハン事件から学ぶもの」を増補

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
半藤/一利
1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家。『漱石先生ぞな、もし』(正続)で新田次郎文学賞、『昭和史1926-1945』『昭和史 戦後篇』で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




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