『システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」』
前野隆司(著)/保井俊之(著)/白坂成功(著)/富田欣和(著)/石橋金徳(著)/岩田徹(著)/八木田寛之(著)
2016
11/21
月曜日

「デザイン思考」のパート3。備忘録です、今回も。




SDMのツールボックス
技法 特徴 ポイント
1 ブレインストーミング 「アイデア出し」の超・定番ツール ・アイデアの量を増やす
・質の高いアイデアが生まれる確立を高める
・「参加者」のアイデアに乗っかる
2 親和図法 意味の近さでアイデアを分類 ・数多くのアイデアを、情報の意味の近さ(親和性)にもとづいてグループに分類する手法
・グルーピングの過程で参加者の合意が形成される
・チームとして新たな視点を獲得
・俯瞰することでインサイトを得る
3 シナリオグラフ 強制的にアイデアを発散させる ・「強制連想法」
・常識的には思いつきそうも内シナリオを作成し、参加者の思考に刺激や揺さぶりを与える
・アイデアの空間を広げるのに有効
4 2軸図 可視化・構造化のための手軽なツール ・縦軸と横軸で平明を区切り、情報を定性的にプロットするともに、中心からどれだけ離れているかという配置によって定量的な意味合いを表す
・縦軸と横軸にどのような意味をもたせるかが重要
・時間が経過してから貴重はヒントになることもある
5 構造シフト発想法 「ずらす」ことで固定概念を打ち破る ・常識や定説、固定概念など、発想の妨げとなるバイアスを特定
・概念をシフトすることによって、既存の枠組みを超えた、まったく新しい発想を得ようとする手法
・シフトするときは大胆にずらす
6 フィールドワーク 変えたい「現場」を体験する ・変化の主体となる人や社会を主観的に体験
・オフィスや教室から飛び出して相手の活動の現場で行う調査・研究
・目的:直面している問題や課題の現状を主観的に経験するために、自分たちの意識や認知とのギャップを確認しながら、イノベーション創出に向けた深い理解を得る
7 バリューグラフ 上位の価値を探して自由度を広げる ・製品やサービスの目的や価値(バリュー)を構造的に可視化し、解空間を広げるために用いる
・「なぜそうするのか?」の問いを発し、より上位の目的を追求
・「そもそも本質的な目的は何か?」
・狙い:上位の目的や価値を構造化し、より創造的な発想を促すこと
8 イネーブラー・フレームワーク 「意味のある多視点」を見つける ・確実に機能する「意味のある多視点」を見つけ出すための枠組み
・イネーブラー (実現子)
・組織→機能→目的
9 因果関係ループ図 原因と結果のつながりから問題点を探る ・数多くの要素が複雑に絡み合っている状況を、原因と結果という視点から分析する手法
・要素と要素の関係を矢印とプラス・マイナスの記号で結びループを作る
→因果関係のフィードバックを可視化
・鍵となる要素(レバレッジ・ポイント=鍵となる要素)がどれなのかを噴石する
・プロジェクトの初期段階で問題を発見したり、問題の構造を明らかにするのに非常に有効なツール
10 CACV(顧客価値連鎖分析) バリューのつながりを理解する ・検討の対象となる会社や組織が「誰」と「どんな価値」をやり取りしているかというバリューチェーンの視点で、ある製品やサービスをめぐるステークホルダー間の関係を可視化する手法
・アイデアの初期段階
・ステークホルダーそれぞれにとっての価値を吟味することが重要
・既存のビジネスモデルの問題点や改善点を発見したり、新たなビジネスモデルの原型をデザインすることができる
11 WCA(要求連鎖分析) 心の動きを深く考える ・「人々の要求」という観点から、ビジネスモデルや社会システムの分析・設計を行う手法
 ①生理的欲求(physiological need)
 ②安全の欲求(safety need)
 ③所属の欲求(social need)
 ④承認の要求(esteem)
 ⑤自己実現の欲求(self actualization)
・利己的欲求に加えて利他的欲求も対象とする
・現実の社会や人間関係をより深く掘り下げた分析が可能
・自分以外の人が何をされることを希望するか、利他的な視点に注意
12 ピュー・コンセプト・セレクション 複数のアイデアを比較検討する ・候補となる複数のアイデア(オプション)を定量的に比較することにより、各オプションの特徴を把握するためのツール
・評価軸の各項目においてどのような特徴を有しているかを可視化できる
13 プロトタイピング アイデアをカタチにする ・アイデアを可視化しながら、「手で」考えたり、チームやユーザーの共感を引き出す再に有効な手法
1)アイデアを実感し、
2)共感を得るための、
3)検証をするため
14 手書きの図 もっとも簡単かつ効率的な可視化ツール ・アイデアを加筆していく
15 ストーリーテリング 「物語」で共感を引き出す ・アイデアやコンセプトを具体的なストーリーに変換し、話して聞かせたり、演じることで、チームのメンバーやオーディエンスと共有するための手法
・メッセージがダイレクトに伝わる
・共感が得やすい
・相手の素直な反応を確認したいときに有効
16 即興 体験を共有して相手の心をつかむ ・プレイバックシアター
・エレベーターピッチ

システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」
前野隆司 保井俊之 白坂成功 富田欣和 石橋金徳 岩田徹 八木田寛之
4822249948
登録情報
単行本(ソフトカバー): 144ページ
出版社: 日経BP社 (2014/3/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4822249948
ISBN-13: 978-4822249946
発売日: 2014/3/12
商品の説明
内容紹介
イノベーション創出のためのまったく新しい方法論「システムデザイン・マネジメント(SDM)」の考え方、手法、活用事例を集約した決定版テキスト。
正解のない問題に直面したとき、何をどう考えたらいいのか――。そのヒントがぎっしり詰め込まれた1冊です。

私たちが直面している複雑な問題を解決するには、物事を全体としてとらえ、システマティックに分析し、創造的にマネジメントしていくという新しいアプローチが必要です。
部分最適ではなく、全体として整合性のとれた、イノベーティブで実現可能な問題解決方法が求められています。そのコアとなるのが「システム思考」と「デザイン思考」を
融合させる新しい考え方――システムデザイン・マネジメント(SDM)なのです。
(本書より)

著者について
前野隆司(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科委員長/教授) 1984年東京工業大学工学部機械工学科卒業、1986年東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、同年キヤノン株式会社入社、1993年博士(工学)学位取得(東京工業大学)、
1995年慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008年よりSDM研究科教授。2011年4月よりSDM研究科委員長。
この間、1990年-1992年カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、2001年ハーバード大学Visiting Professor。著書に『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房)、
『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社)など。

保井俊之(やすい としゆき)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究 科特別招聘教授。1985年東京大学教養学科卒業後、旧 大蔵省入省。中央大学客員教授、金融庁参事官などを経 て、2008年より慶應で教鞭をとる。国際基督教大学博士 (学術)。政策研究大学院大学客員教授を兼務。米国PMI 協会認定Project Management Professional。著書 に、『「日本」の売り方 協創力が市場を制す』(角川書店)、 『体系 グローバル・コンプライアンス・リスクの現状』(き んざい、共著)など。日本コンペティティブインテリジェンス 学会論文賞(2010・11年度)、日本創造学会論文誌論 文賞(2012年度)。(本稿は無報酬での執筆で、意見に わたる部分は私見です)

白坂成功(しらさか せいこう)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究 科准教授。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学 専攻修士課程修了後、三菱電機株式会社にて宇宙開発 に従事。2010年博士(システムエンジニアリング学)学 位取得(慶應義塾大学)。2004年度より慶應義塾大学に てシステムエンジニアリングの教鞭をとり、2011年度より 現職。三菱電機では技術試験衛星VII型(ETS-VII)、宇 宙ステーション補給機(HTV)等の開発に参加。著書に 『システムズモデリング言語SysML』(東京電機大学出版 局、共著)など。

富田欣和(とみた よしかず)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究 科特任講師。デザインプロジェクトや起業デザイン論、イ ノベーティブ・ワークショップ・デザイン論などを担当。 2014年度より関西学院大学専門職大学院経営戦略研 究科講師も兼務。技術、人、組織をシステムとして捉えて 社会的価値創出を行うイノベーティブ・デザインLLC代表 など数社の経営を行っている。実践・教育・研究の3領域 での経験を活かし社会システムデザインやイノベーション・ マネジメントの実践に取り組んでいる。同大学大学院 SDM研究科修士課程修了(システムエンジニアリング 学)。

石橋金徳(いしばし かねのり)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究 科特任助教。ミネソタ大学工学部在学中はカーネギーメロ ン大学でのNASAプロジェクトインターンシップなどを経験 しHigh Distinctionにて卒業。卒業後は株式会社本田技 術研究所にて量産二輪自動車エンジン開発、電気駆動パ ーソナルモビリティ技術の研究開発に従事。その後、東京 大学工学系研究科航空宇宙工学専攻 中須賀研究室に 学術支援専門職員として赴任。プロジェクトマネージャー として50kg級超小型衛星システム開発を行い、東南アジ アなど宇宙新興国各国との連携などにも従事。2013年度 より現職。慶應義塾大学大学院修士課程修了(システム エンジニアリング学)。

岩田 徹(いわた とおる)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究 科研究員。株式会社アイディアポイント代表取締役。東京 大学工学部精密機械工学科卒、同大学院工学系研究科 修了。工学修士。A.T.カーニー株式会社、株式会社ロー ランド・ベルガーにてコンサルティング業務に従事。SAP ジャパン株式会社にて、マーケティングを担当。その後、 株式会社ファーストキャリア設立に参画。2011年に株式 会社アイディアポイントを設立。著書に『論理的なのに、で きない人の法則』(日本経済新聞出版社、共著)、『スッキ リと「考える」技術』(ファーストプレス、共著)など。

八木田寛之(やぎた ひろゆき)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究 科非常勤講師。2000年旧東京都立航空工業高等専門学 校機械工学科卒業、同年三菱重工業株式会社入社。都 市ごみ焼却プラントの設計、その後火力発電プラントのサ ービスエンジニアに従事するとともに、事業戦略立案及び 次世代新ビジネス創出プロジェクトを取りまとめる。2014 年からは三菱日立パワーシステムズエンジニアリング株式 会社に所属。米国PMI協会認定Project Management Professional。慶應義塾大学大学院SDM研究科修士 課程修了(システムエンジニアリング学)。東京大学大学 院工学系研究科技術経営戦略学専攻後期博士課程在学 中。NPO国境なき技師団正会員。





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