『家康、江戸を建てる』門井慶喜(著) 2016
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土曜日

オーソドックスに手堅く判りやすく、気軽にさらさらっと読みやすい。されど、捻りもなく奥行きも薄っぺらい感じを受けた。深淵に技術的困難克服描写をリアリティにディープに読ませてほしかった。家康が秀吉から武州を与えられた、というより家康を遠ざけるための策として馴染みの三河、駿府を放棄させて鞍替えさせた。(決断したのは家康だろうが) 当時の関東は湿地帯、葦やススキの鬱蒼とした見向きもされない土地だった。今でいうところの都市計画を各方面・各分野でコツコツと築き上げてきた結果の江戸。本書は河整形、小判、飲料水、石垣、天守の5作品短篇となっている。

家康、江戸を建てる
門井慶喜
4396634862
登録情報
単行本: 400ページ
出版社: 祥伝社 (2016/2/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4396634862
ISBN-13: 978-4396634865
発売日: 2016/2/9
内容(「BOOK」データベースより)
「北条家の旧領関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めながら、関白・豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、水びたしの低湿地ばかりが広がる土地と、豊饒な現在の所領、駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。愚弄するかのような要求に家臣団が激怒する中、なぜか家康はその国替え要求を受け入れた…。ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!




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