『傷だらけのカミーユ』ピエール・ルメートル(著) 2016
11/16
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ヌメートルの天国でまた会おう」「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「死のドレスを花嫁に」に続く5作品目読了。ヴェルーヴェン警部シリーズ(その女・・、悲しみの・・)最終作となる。これでカミーユの登場もないのだろうか?フランス移民大国の国情も背景にした強盗事件がフランスの澱・滓となって沈殿しているともいえよう。本作は前二作が売れたため、多少浮かれすぎた書きっぷりが覗えなくもない。筆圧・描写ともピエールは上手なのであるが、プロット上、元同僚であったジャン=クロード・マレヴァルの転落・凶暴変貌が読者としては共感しづらいと感じた。「何故、そうなる?」「ありえないだろう」感が拭えない。しかし、カミーユ、アンヌの行く末が気にならない読者はいない。よって、そのうち、続編・番外編・望郷篇が出版されるような気がしてならないのは僕だけじゃないはずだ。

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)
ピエール・ルメートル 橘明美
4167907070
登録情報
文庫: 400ページ
出版社: 文藝春秋 (2016/10/7)
言語: 日本語
ISBN-10: 4167907070
ISBN-13: 978-4167907075
発売日: 2016/10/7

内容紹介
『その女アレックス』『悲しみのイレーヌ』のヴェルーヴェン警部シリーズ最終作。
『その女アレックス』に続き、イギリス推理作家協会インターナショナル・ダガー賞受賞!

カミーユ警部の恋人が強盗事件に巻き込まれ瀕死の重傷を。彼女を守るため警部は独断で犯人を追う。英国推理作家協会賞受賞作。






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