『デイヴィッド・コパフィールド(全五巻)』チャールズ・ディケンズ(著) 2016
11/5
土曜日

読書メーターに書いたショートコメントから。2,000頁を超える長編アンティーク小説?である。

◆第一巻
さて、序盤スタート。本書が執筆されたのは、1849-1850年、日本でいえば江戸時代、嘉永2年、167年前、攘夷思想が各藩で芽生えつつあり、ペルー来航数年前。過去読んだ「白鯨()()」メルヴィル1951年、『モンテ・クリスト伯』デュマ1844年、時代的にはそんな頃の作品ですが、訳がうまいのか、違和感なく読み進めて行けそうな気配。さすがに電気・自動車はありませんよ。

◆第二巻
これから面白くなるのだろうか?160年昔に書かれた本。古くささは否めないのだが、面白いとの評判の本。この先、おもしろくなってもらわないと立つ瀬がないのだけれども。

◆第三巻
この時代の文化、暮らし、情景(乞食や汚れた部分もある)などがよくわかる。上流階級、中流、一般庶民の考えの差異など。上流階級のお嬢様に恋してしまったデイヴィッド、ちょっと幼気ないですね。

◆第四巻
幼稚で精神的に成長していない赤ちゃん嫁と結婚してしまったデイヴィッド。美女だけれど、人生の相談相手にならぬ幼い”ドーラ”。男は美女には弱いのは大方の嗜好ではあるのだけれども。私も女難の相があるらしいのだが、経験を踏まえ女性を観る目は確かだと思うけれど、相手あってのことだから、そう簡単に物事は前進しないのだ。

◆第五巻
さあ、最終巻、いろいろな出来事が収束・収斂に向けて、落ち着くところに落ち着いていく。シンプルにハッピーエンドということだ。しかし、160年前の小説が読まれ、意味が通じていることの驚き。それでも、僕には多少粘着力がありすぎて、くどい説明、感情表現が如何なものか、とも感じた。皆さんはどうなのだろう?

デイヴィッド・コパフィールド 全5冊 (岩波文庫)
ディケンズ 石塚 裕子
4002011003
登録情報
文庫
出版社: 岩波書店 (2010/08)
言語: 日本語
ISBN-10: 4002011003
ISBN-13: 978-4002011004
発売日: 2010/08
デイヴィッド・コパフィールド〈1〉 (岩波文庫)
チャールズ ディケンズ 石塚 裕子
4003222814
登録情報
文庫: 446ページ
出版社: 岩波書店 (2002/7/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4003222814
ISBN-13: 978-4003222812
発売日: 2002/7/16
デイヴィッド・コパフィールド〈2〉 (岩波文庫)
ディケンズ Dickens
4003222822
登録情報
文庫: 460ページ
出版社: 岩波書店 (2002/9/18)
言語: 日本語
ISBN-10: 4003222822
ISBN-13: 978-4003222829
発売日: 2002/9/18
デイヴィッド・コパフィールド〈3〉 (岩波文庫)
ディケンズ Charles Dickens
4003222830
登録情報
文庫: 452ページ
出版社: 岩波書店 (2002/11/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4003222830
ISBN-13: 978-4003222836
発売日: 2002/11/15
デイヴィッド・コパフィールド〈4〉 (岩波文庫)
ディケンズ Dickens
4003222849
登録情報
文庫: 430ページ
出版社: 岩波書店 (2003/1/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4003222849
ISBN-13: 978-4003222843
発売日: 2003/1/16
デイヴィッド・コパフィールド〈5〉 (岩波文庫)
ディケンズ Dickens
4003222857

登録情報
文庫: 449ページ
出版社: 岩波書店 (2003/3/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 4003222857
ISBN-13: 978-4003222850
発売日: 2003/3/14
内容(「BOOK」データベースより)
本書は,モームが世界の10大小説の1つに選び,ディケンズ(1812-1870)自身も「自分の作品中,最も好きなもの」と語っている作品.自伝的要素の濃い作品で,個性的な登場人物が多数登場し,ユーモアとペーソスが全篇にわたって満ちあふれている.物語は大らかにゆったりと展開し,読書の醍醐味が存分に味わえる.新訳.(全5冊)

第二巻
母にも死なれ、苦境に陥っていたデイヴィッドだったが、唯一のたのみであった伯母の家をなんとか探しあてることができた。そこで新たな生活を始めたデイヴィッドは、父親思いの優しいアグネス、こびへつらうユライア・ヒープなどと出会うのだった…。

第三巻
ローマ法博士会で働きはじめたデイヴィッド。少女のようにあどけなく、愛らしいドーラと出会い、すっかりそのとりこになってしまう。久しぶりにセーラム学園時代の旧友トラドルズにも再会したデイヴィッドだったが、そうこうするうちに、エミリーが…。

第四巻
とつぜん父親が死んでしまい、ドーラが窮状にあることを知ったデイヴィッド。自分がしっかりしなくては、と安定した生活の資を得るべく、速記法の習得に全身全霊を傾ける。そして、とうとう念願だったドーラとの結婚を果たすのだったが…。

第五巻
失踪していたエミリーがとうとう姿を現した。一方、日増しに衰弱していたドーラは、あの世へと旅立つのだった。紆余曲折を経て、デイヴィッドはいつも優しく自分を見守ってくれていたアグネスへの愛に気づき…。長かった物語も大団円を迎える。






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