『移行期的混乱―経済成長神話の終わり』平川 克美(著) 2016
10/30
日曜日

武田鉄矢氏のラジオ番組がYouTubeにアップされていて聴いた。その中で本書を土台に話しが進められていた。興味を抱き購入したが、読むだけの価値はあったといえよう。副題となっている「経済成長神話の終わり」を判りやすく紐解いているし、また、経済成長が低迷する、右肩上がりでなければよろしくない、という一般的経済学者が唱える王道成長経済に一石を投じてもいる。
(抜粋)
・日本のGDPが伸び悩んでいるのは、戦略の欠如にあるのではなく、経済成長の結果なのである。
・「日本には成長戦略がないのが問題」と言うことに対して、問題なのは、成長戦略がないことではない、成長しなくてもやっていけるための戦略がないことが問題なのだ

他にも人口減少問題、子供の出生率の減少も捉えているが、それに歯止めをかけよう、出生率を上げようという呪縛に金縛りになっていることに警鐘した考えを提示している。経済本という小難しい読み物ではなく、発想を柔軟に、そうしないとどうなるのだろう、といった観点も読み手に「なるほどなぁ」、こうでなければならない洗脳主義から離脱できる、離脱しないといけないというのではなく、立ち位置を見つめ直せ、と云わんとしているのかもしれない。平川克美氏の他作も読んでみたいものだ。

移行期的混乱―経済成長神話の終わり
平川 克美
4480864040
登録情報
単行本: 262ページ
出版社: 筑摩書房 (2010/9/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480864040
ISBN-13: 978-4480864048
発売日: 2010/9/9

内容(「BOOK」データベースより)
人口が減少し、超高齢化が進み、経済活動が停滞する社会で、未来に向けてどのようなビジョンが語れるか?『経済成長という病』で大きな反響を呼んだ著者が、網野善彦、吉本隆明、小関智弘、エマニュエル・トッドらを援用しつつ説く、歴史の転換点を生き抜く知見。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
平川/克美
1950年東京生まれ。1975年、早稲田大学理工学部機械工学科卒業。渋谷道玄坂に翻訳を主業務とするアーバン・トランスレーションを設立、代表取締役となる。99年、シリコンバレーのBusiness Cafe,Inc.の設立に参加。現在、株式会社リナックスカフェ代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





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