『もう過去はいらない』ダニエル・フリードマン(著) 2016
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土曜日

前作「もう年はとれない」の続編。ダニエル君、よくなりましたね。毅然とプロットが絞まりました。ハードボイルド・サスペンスながら、ユーモアのセンスは持ち合わせている。本書の底流にはユダヤ人としての誇りを感じさせられるし、虐げられてきた過去からの反発心・反逆心、身内を惨殺された遺恨心は登場人物にも色濃く投影されている。話しの展開は、過去(1965年)と現代(2009年)をスイッチしながらの交差が回想的風合いや、程よい緊張感を与えリズムを助長している。これなら、次作が出版されたなら読んでやってもいいかもしれない、と心変わりしつつある自分がやばい。(実のところ<バック・ジャック>シリーズは第三作と第四作が2016年、2017年に刊行が決定している) 「どうしたもんじゃろのぅ」

もう過去はいらない (創元推理文庫)
ダニエル・フリードマン 野口 百合子
448812206X
登録情報
文庫: 368ページ
出版社: 東京創元社 (2015/8/29)
言語: 日本語
ISBN-10: 448812206X
ISBN-13: 978-4488122065
発売日: 2015/8/29

内容(「BOOK」データベースより)
88歳のメンフィス署の元殺人課刑事バック・シャッツ。歩行器を手放せない日常にいらだちを募らせる彼のもとを、因縁浅からぬ銀行強盗イライジャが訪ねてきた。何者かに命を狙われていて、助けてほしいという。やつは確実になにかをたくらんでいる。それはなんだ。88歳の伝説の名刑事vs.78歳の史上最強の大泥棒。『もう年はとれない』を超える、最高に格好いいヒーローの活躍!







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