『八日目の蝉』角田 光代(著) 2016
5/28
土曜日

少し前に読んだエッセイ集「マナーの正体」の一筆者であった角田光代氏のエッセイに好感を持ち彼女の作品を読んでみたいと思っていた早々、ブックオフで見つけた本書。2011年に映画化もされ、朝ドラに出演した井上真央も出演している。映画のインタビューをTVで観たが、本書がその原作だったのだと今、気付いたのだった。

僕には波長が合わない、折り合えない感情が混入する小説だ。要はだらしない男が不倫をして、中途半端に食い散らかしたがために派生する事件が関係者全員を一生苦しめる。所詮、男と女、動物のスイッチがオンになるとオフにする方法を知らない。しかし、凪では小説は動き出せないので、「男女の縺れ」に口火を切るのが常套手段と斬って捨てよう。主役ふたりに最後の最期に多少の薄明かりが射してきたといえばいいか。女性が感情移入しやすい作品だろう。

八日目の蝉
角田 光代
4120038165
登録情報
単行本: 346ページ
出版社: 中央公論新社 (2007/03)
言語: 日本語
ISBN-10: 4120038165
ISBN-13: 978-4120038167
発売日: 2007/03

内容紹介
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか??理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。





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