『タイタンのゲーム・プレーヤー』フィリップ・K.ディック(著) 2015
10/23
金曜日

フィリップ・K.ディック、読了36冊目。1963年の作品、原題はThe game players of TITAMとなる。ストーリーはスピーディーに流れ、多少、話の展開・進展上、辻褄が合わない箇所がないわけではないのだが、それは”ディックらしい”とファンとして贔屓目に許容して、それでも余剰あるおもしろさに驚くのである。近未来が読める予知能力(プレコグ:precognition)、会話・身振りでなく心で伝達する超感覚的知覚(テレパシー:telepathy)、念力、意志で物体を動かす念動力(サイコキネシス:psychokinesis)も総動員され、ゲームによりアメリカの広大な地域を奪い合うバインド(束縛者)間で起きる出来事、ハプニングが奇抜である。話はビジュアル的で、映画にすると面白いだろうが、これまたチープな作品になってしまうことも、僕にはプレコグである。

★フィリップ・キンドレド・ディック
(Philip Kindred Dick, 1928年12月16日 - 1982年3月2日)はアメリカのSF作家。
SF小説(長編) 1 □偶然世界(太陽クイズ) Solar Lottery (Quizmaster Take All) (1955年)
2 ■ジョーンズの世界 The World Jones Made (Womb for Another) (1956年)
3 □いたずらの問題 The Man who Japed (1956年)
4 ■虚空の眼(宇宙の眼) Eye in the Sky (1957年)
5 ■時は乱れて Time out of Joint (Biography in Time) (1959年)
6 ■高い城の男 The Man in the High Castle (1962年)
7 ■タイタンのゲーム・プレーヤー The Game-Players of Titan (1963年)
8 □アルファ系衛星の氏族たち Clans of the Alphane Moon (1964年)
9 ■火星のタイム・スリップ Martian Time-Slip (1964年)
10 □最後から二番目の真実 The Penultimate Truth (1964年)
11 □シミュラクラ The Simulacra (1964年)
12 □ドクター・ブラッドマネー(ブラッドマネー博士) Dr. Bloodmoney (1965年)
13 ■パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 The Three Stigmata of Palmer Eldritch (1965年)
14 ■去年を待ちながら Now Wait for Last Year (1966年)
15 (未購入)ライズ民間警察機構(テレポートされざる者) Lies,INC. (The Unteleported Man) (1966年)
16 □逆まわりの世界 Counter-Clock World (1967年)
17 (未購入)ザップ・ガン The Zap Gun (1967年)
18 ■アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Do Androids Dream of Electric Sheep? (1968年)
見つからず 19 (未購入)銀河の壺直し Galactic Pot-Healer (1969年)
20 □ユービック Ubik (1969年)
途中放棄 21 □死の迷路(死の迷宮) A Maze of Death (1970年)
22 ■フロリクス8から来た友人 Our Friend from Frolix 8 (1970年)
23 ■あなたをつくります(あなたを合成します) We Can Build You (1972年)
24 ■流れよ我が涙、と警官は言った Flow my Tears, the Policeman Said (1974年)
25 □怒りの神 Deus Irae (1976年)(ロジャー・ゼラズニイとの共作)
26 ■スキャナー・ダークリー (暗闇のスキャナー) A Scanner Darkly (1977年)
27 □ヴァリス VALIS (1981年)
28 □聖なる侵入 The Devine Invasion (1981年)
29 □ユービック:スクリーンプレイ Ubik:The Screenplay(1985年)
30 (未購入)アルベマス Radio Free Albemuth (1985年)
31 ■ニックとグリマング Nick and the Glimmung (1988年)※児童向け (2015.9.24読了)
32 ■未来医師
33 ■空間亀裂 (2013.6.24読了)
34 □ガニメデ支配 P・K.ディック&レイ・ネルスン 出版社: 東京創元社 (2014/6/28)
35 □ヴァルカンの鉄鎚 出版社: 東京創元社 (2015/5/29)
SF小説(短編集) 36 ■地図にない町(1976年)
37 ■人間狩り(1982年・1991年・2006年)
38 ■パーキーパットの日々(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック I)The Best of Phillip K. Dick 二分冊の一巻(1977年)
39 ■時間飛行士へのささやかな贈り物(サ・ベスト・オブ・P・K・ディック II)The Best of Phillip K. Dick 二分冊の二巻(1977年)
40 ■顔のない博物館(1983年)
41 ■宇宙の操り人形(1984年・1992年)
42 ■ウォー・ゲーム(1985年・1992年)
43 ■ゴールデン・マン(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック III)The Golden Man 二分冊の一巻(1980年)
44 ■まだ人間じゃない(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック IV)The Golden Man 二分冊の二巻(1980年)
45 ■悪夢機械(1987年)(2015.10.19読了)
46 ■模造記憶(1989年)
47 ■ウォー・ベテラン(1992年)
48 ■永久戦争(1993年)
49 ■マイノリティ・リポート(1999年)
50 ■シビュラの目(2000年)
51 ■ペイチェック(2004)
一般小説 52 ■戦争が終わり、世界の終わりが始まった Confessions of a Crap Artist (1975年)
53 ■ティモシー・アーチャーの転生 The Transmigration of Timothy Archer (1982年)
54 ■小さな場所で大騒ぎ Puttering about in a Small Land (1985年)
55 ■メアリと巨人 Mary and the Giant (1987年)
ノンフィクション 56 ・ラスト・テスタメント P・K・ディックの最後の聖訓(グレッグ・リックマン編)
Philip K. Dick the Last Testament Philip K. Dick (1985年) -インタビュー
57 ・フィリップ・K・ディック 我が生涯の弁明(ロランス・スーティン編)Divine Invasions: The Life of Philip K. Dick (1990年)
58 ・フィリップ・K・ディックのすべて -ノンフィクション集成(ローレンス・スーチン編) The Shifting Realities of Philip K. Dick (1995年)
映画化された作品 59 △アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(1982年に『ブレードランナー』として映画化)
60 △追憶売ります(1990年に『トータル・リコール』として映画化)
61 △戦争が終わり、世界の終わりが始まった(1992年に『バルジョーでいこう!』として映画化)
62 △変種第二号(1996年に『スクリーマーズ』として映画化)
63 △にせもの(2001年に『クローン』として映画化)
64 △少数報告(2002年に『マイノリティ・リポート』として映画化)
65 △報酬(2003年に『ペイチェック 消された記憶』として映画化)
66 △暗闇のスキャナー(2006年に『スキャナー・ダークリー』として映画化)
67 △ゴールデンマン(2007年に『ネクスト』として映画化)
※原題 のないものは日本で編纂されたもの
■既読 36
□未読(手元あり) 15
○購入中 0
未購入 4
△映画 9
合計 55


タイタンのゲーム・プレーヤー (創元SF文庫)
フィリップ・K. ディック Philip K. Dick
448869604X
登録情報
文庫: 396ページ
出版社: 東京創元社; 5版 (1990/03)
ISBN-10: 448869604X
ISBN-13: 978-4488696047
発売日: 1990/03
内容(「BOOK」データベースより)
地球人類は星間戦争に敗れタイタン人に統治されている。人口の激減したなか一握りの特権階級だけが、タイタン人のもたらした、現実の町の領有権を賭けた“ゲーム”に興じていた。その一人、西海岸に住むピートは、奪われた領地バークレーをとり戻すべく東海岸の大物プレーヤーと対戦し…翌日、相手は死体となって発見された。誰が敵か味方かもわからない、長い悪夢の始まりだった。





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