『ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇』DBCピエール(著) 2015
7/22
水曜日

全体的に面白いのか、どうなのか、言葉が下品で汚いのは僕にはOKだけれど、主人公が一人よがりなところが感情移入し難い作品であろうと思うことと、日常を扱ってはいるが殺人者に祭り上げられてしまう非日常性も本文に没頭させてもらえない要因になっているのだろう。デビュー作品がブッカー賞を受賞。儲けは債権者への返済にあてるらしい。崖っぷちで書いた本書であろうが、そういった作家がいても宜しいのじゃないとシャープに割り切ってもいいのじゃないか。お笑い小説と思えば、話の辻褄も、意図も簡単に殺人犯に仕立て上げられてしまうことなど、雑多なことはどうでも宜しいのじゃないか、と思い悩む必要は皆無なのではないか。

ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇
DBCピエール 都甲 幸治
4863325983
 登録情報
単行本: 396ページ
出版社: ウイーヴ (2007/12)
ISBN-10: 4863325983
ISBN-13: 978-4863325982
発売日: 2007/12

内容(「BOOK」データベースより)
痛快無類な文体で、現代アメリカを黒い笑いの連打で駆け抜けるブッカー賞受賞の大問題作、ついに刊行。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
DBCピエール
本名ピーター・ウォーレン・フィンレイ。1961年オーストラリア南オーストラリア州レイネラに生まれる。1歳半でアメリカ合衆国に移住、7歳から23歳までメキシコ合衆国メキシコシティに住み、その後もオーストラリア、スペイン、イギリスなどを転々とする。現在アイルランド共和国リートリム在住。マンガ家、映画製作者、グラフィックデザイナーなどの職業を経たのち、デビュー作である『ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇』でマン・ブッカー賞受賞

都甲/幸治
1969年福岡県に生まれる。現在、早稲田大学准教授。東京大学卒。現代アメリカ文学・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。






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