『判決破棄 リンカーン弁護士(上下巻)』マイクル・コナリー(著) 2015
5/2
土曜日

マイケル・コナリーのリンカーン弁護士、マイクル(ミッキー)・ハラーの第3弾。リンカーン弁護士を続けざまに読んでいるのでミッキーのキャラと思考回路に充分汚染されていたが、今回は孤高の刑事、ハリー・ボッシュのダブル主役で登場。最初はミッキーの斜に構えた頭のきれる個性に圧され、ボッシュの陰が薄かったのだが、中盤からボッシュのキャラも全開、読み手にとって安定した一途な正義感に突き進んで調査を進めるボッシュに安心感をもってしまった。実は、ボッシュとミッキー、腹違いの兄弟なのである。話せば、ロング・ロング・ストーリー、ハリーの幼少の頃まで遡らなければならない。作家マイクル・コナリーのストーリーテラーとして枯渇することなく次から次へとサスペンス、ハードボイルド漬けの緊張感・スリル感を与え続けてくれるのは、この上なく幸せなことである。

ハリー・ボッシュシリーズとリンカーン弁護士の続編は邦訳出版されておらず、次に読む本がない。未読の邦訳本はザ・ポエット(1996/RW:レイチェル・ウォリング、JM:ジャック・マカヴォイ)だけとなってしまった。講談社さん、訳者の古沢さん、待ってますのよ、次を。

判決破棄 リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)
マイクル・コナリー 古沢 嘉通
4062779765
文庫: 352ページ
出版社: 講談社 (2014/11/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062779765
ISBN-13: 978-4062779760
発売日: 2014/11/14
判決破棄 リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)
マイクル・コナリー 古沢 嘉通
4062779773
 文庫: 368ページ
出版社: 講談社 (2014/11/14)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062779773
ISBN-13: 978-4062779777
発売日: 2014/11/14

《上巻》
内容(「BOOK」データベースより)
24年前の少女殺害事件に対して出された有罪判決破棄および差し戻し。DNA鑑定で被害者のワンピースについていた精液が服役囚とは別人のものだとわかったのだ。刑事弁護士ミッキー・ハラーは、ロサンジェルス郡地区検事長の要請で特別検察官として勝算皆無の再審を引き受ける。息詰まる法廷劇が始まった!

《下巻》
無罪を訴える服役囚が犯人であることを確信して、ボッシュ刑事は調査員としてハラーのチームに加わり、新たな証人を見つけ出す。少女が連れ去られる瞬間を目撃していた姉の劇的な証言。保釈後、夜な夜なひとりで公園にたたずむ服役囚。冤罪か有罪か。殺害は偶発か計画的犯行か。思いがけない顛末が待つ!






Copyright (C) 2015 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.