『兵士アレッサンドロ・ジュリアーニ(上下巻)』マーク・ヘルプリン(著) 2015
3/17
火曜日

S.キングが選んだ百選の一冊、片っ端から読破中、まだ、道半ばである。

イタリア人、アレッサンドロは裕福な家庭に生まれ、知性溢れ、乗馬も得意な青年だった。時は第一次世界大戦(大正三年(1914年)~大正7年(1918年))勃発前後が中心となっている。映画で描写されるWWIには必ず塹壕戦、騎馬隊が登場するが、本書でも塹壕での悲惨さ、馬の活躍もさることながら、一兵目線でみた第一次世界大戦が生生しすぎるほどに過酷で、悲惨で、脅威な自然環境(特に冬山)であったり、食事であったり、不衛生な身の回りであったり、阿鼻地獄さながらなのだ。アレッサンドロは戦場へと赴いた。このような状況で2年、3年と過ごすうちに人間はどのように変化するとお思いか?思考の激変や、郷愁の念や、家族に対する想いだったりするのだろう。イタリア兵としてオーストラリア国境での厳酷の冬山での戦闘も読み応えありだ。

本書は過酷な戦場を生き延びたアレッサンドロが年老い、ふとしたことから出会う少年に語らうところから始まる。上下巻段組で800頁を超える長編はボリュームたっぷり、お腹いっぱいといったところ。話は飄々と展開するが、ひとつひとつのシーンがあまりにもリアリティがある。あり過ぎる。

本書のテーマはやはり「愛」だろうと思う。語るには簡単なようで一番難しいテーマだろう。

兵士アレッサンドロ・ジュリアーニ〈上〉
マーク ヘルプリン Mark Helprin
登録情報
単行本: 415ページ
出版社: 河出書房新社 (1995/07)
ISBN-10: 4309202403
ISBN-13: 978-4309202402
発売日: 1995/07
兵士アレッサンドロ・ジュリアーニ〈下〉
マーク ヘルプリン Mark Helprin
登録情報
単行本: 406ページ
出版社: 河出書房新社 (1995/07)
ISBN-10: 4309202411
ISBN-13: 978-4309202419
発売日: 1995/07
しょうごさんの読書メーター

内容紹介
《上巻》内容(「MARC」データベースより)
イタリア人弁護士の裕福な家庭に生まれた主人公アレッサンドロは幸福な少年時代をおくる。第一次世界大戦の勃発によって家族と引き離され兵士として戦争の泥沼の中に突き落とされてしまう。

《下巻》 内容(「MARC」データベースより)
戦争の狂気の中で囚われの身となりアレッサンドロは暗い海に煌めく星のような収容所、ステラ・マリスに送られた。そして風が歌う要塞で仲間たちの血が流れた。戦争のさなか彼はなお愛と美を求めつづける。






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