「ハリー・ボッシュ」シリーズは第14作目。彼の一途な捜査は動き出したら止まらない。しかし、今回は、愛する○○が危機に曝され、一段とエスカレートした彼の行動力に脱帽する。それと、彼の心理的葛藤が僕とオーバーラップする箇所があり、感情移入というのか、感傷復活というのか、複雑な一面も引き起こさせられた。自分のもつ思考や感情は得てして自分特有なものであって、他の人はそのように考えないのではなかろうか、と思うことはないだろうか？　いやいや、他の方も同様な苦しみや悩みに溺れそうになることはあるものなのだ、と思い知らされもし、この思惟は自分だけではないのだと安心してみたりする自分自身が小市民なのかもしれない。
さて、本書のストーリー展開も手に汗握る緊迫感が爆発する。読み逃したら後悔するよ、と脅しておこう。

ナイン・ドラゴンズ(上) (講談社文庫) マイクル・コナリー 古沢 嘉通	登録情報 文庫: 352ページ 出版社: 講談社 (2014/3/14) 言語: 日本語 ISBN-10: 4062777886 ISBN-13: 978-4062777889 発売日： 2014/3/14
ナイン・ドラゴンズ(下) (講談社文庫) マイクル・コナリー 古沢 嘉通	登録情報 文庫: 352ページ 出版社: 講談社 (2014/3/14) 言語: 日本語 ISBN-10: 4062777894 ISBN-13: 978-4062777896 発売日： 2014/3/14
内容（「BOOK」データベースより） かつて暴動が起きたエリアで酒店を営む中国人が銃殺された。ロス市警本部殺人事件特捜班のボッシュは、事件の背後に中国系犯罪組織・三合会が存在することをつきとめる。報復を恐れず追うボッシュの前に現れる強力な容疑者。その身柄を拘束した直後、香港に住むボッシュの娘が監禁されている映像が届く。 娘を助け出すべく香港に飛んだボッシュは、前妻と彼女の同僚の力を借りて街中を血眼で探し回る。監禁映像の背景にあったのは九龍半島の繁華街、尖沙咀であることが判明。しかしボッシュの人生最大にして、最悪の悲劇が起こる。娘は救えるのか?裏で糸を引いているのは誰だ。コナリー作品、成熟の極み!