『パイの物語』ヤン・マーテル著 2015
2/11
水曜日

期待したほど手応えはなく、がっくだ。これでブッカー賞かよ。知っている限りの知識を詰め込んでみました的な小説は説得力に欠け、主人公の思考が前後で一貫性ないために共感も呼ばない。描写も雑だ。ご都合主義的な解釈が多すぎる。スティーヴン・キャラハンの「大西洋漂流76日間」が実体験に基づくサバイバル・ノンフィクションとして千倍もの感銘を与えてくれる。読むならそちらを読むことをお勧めしたい。比較するもおぞましいのだが。

パイの物語
ヤン マーテル Yann Martel
4812415330
登録情報
単行本: 479ページ
出版社: 竹書房 (2004/01)
ISBN-10: 4812415330
ISBN-13: 978-4812415337
発売日: 2004/01

1977年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日本の貨物船ツシマ丸は太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘しかない救命ボートに乗り助かったのは、動物たちを連れカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後脚を骨折したシマウマ、オランウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も美しく危険な獣―ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ命の舟。残されたのはわずかな非常食と水。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。2002年度ブッカー賞受賞作。






Copyright (C) 2015 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.