『ロールシャッハの鮫』スティーヴン・ホール(著) 2014
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ご存知かも知れないが、ロールシャッハと聞くと、”あれか”と思われるかもしれない。
インクの染みを紙の上に落とし、紙を二つに折って広げ、被験者に思いつくものを述べてもらう。それをベースに思考や障害を推測するものであるが、本書の「ロールシャッハの鮫」とは特に関係はない。

主人公は何故か、記憶喪失で、それも初めてではなく、数回も記憶喪失になっていて、初代の本人が、記憶喪失となるだろう未来の自分に宛てた手紙が日々届く。あらすじは端折るとして、僕には、本書の世界観は波長が合わなかった。発想はユニークなのだろうが、どうしても「そんなことあり得んだろう」とSFやホラーに馴染んだ僕でも否定的なアレルギー光線に苛まれてしまう。つまり、お話に没頭できないのである。また、情景描写が雑で、仮に「荒れ果てた地下街」と表現されていても、どのように荒れ果ているのか、の記述がないか、雑なのである。それは消化不良のまま、情景が思い浮かべることなくストーリーが展開していってしまう。どうも、いただけない。

本書の評価も分かれるようだが、こういった毛色の珍しい本を「面白い」と通ぶる読者も多いのではないか。ほんとうに面白いと感じたのか?(余計なお世話だけれど・・・)

僕には★1つ、NHKの喉自慢なら鐘ひとつ「かーん」だな。

ロールシャッハの鮫
スティーヴン・ホール 池田 真紀子
4047916382
 登録情報
単行本: 511ページ
出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/12/25)
ISBN-10: 4047916382
ISBN-13: 978-4047916388
発売日: 2010/12/25

内容(「BOOK」データベースより)
エリック・サンダーソンは目を覚ました。だが自分が何者で、どこにいるのか、まったく思い出すことができない。失われた記憶の手がかりは、今は亡き恋人クリオとの日々を綴った日記だけ。真実を知るというドクター・フィドーラスを探すべく、エリックは気むずかしい愛猫イアンとともに出発する―サイコ・サスペンス×サイバーパンク×ラブ・ストーリーのかつてない融合。UK発、小説の最新進化形。世界30ヵ国を席巻した驚愕のデビュー作。
著者について
1975年英国生まれ。本作が欧米30カ国以上で大ヒット。注目の新人。  







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