『天切り松 闇がたり 2 残侠』浅田次郎著 2012
9/11
火曜日

第四巻、第一巻と読み進み、いよいよ、第二巻へ読み進んだ、と思いねぇ。

目細の安吉、おこん姐御、百面相の常、虎弥たちが繰り広げる破天荒な痛快劇。彼らは決してこそ泥ではなく、聞き手を納得させながら、おっと、そうするってもんが江戸っ子で、粋ってもんだ、となる。『おっ、ちゃんと聞いてやがるか。人の話は背筋をしゃんと伸ばして聞かなきゃなんねぇ』
松蔵の威勢のよい語り口調が、聞き終えた人達に知らず知らずのうちに、勇気をあたえてしまう。八話挿入されているが、一篇一篇、読み切りとしても秀悦といえよう。

『おっといけねぇ』
ついついと知らぬ間に、話に引き込まれっちまうってもんですぜ。
残りは、第三話、これで終わってしまうなんざ、ちと、寂しいぜ。

天切り松 闇がたり 2 残侠
浅田 次郎
4087743837

登録情報
単行本: 288ページ
出版社: 集英社 (1999/9/16)
言語 日本語
ISBN-10: 4087743837
ISBN-13: 978-4087743838
発売日: 1999/9/16

メタローグ
かつて天切り松と呼ばれた怪盗が、留置場で若い衆を集めて聞かせる読み切り話。大正時代のモダン東京を舞台に、仕立屋銀次一門の目細の安吉、おこん姐御、百面相の常といった仁義も色気もある個性豊かな悪党たちが、山県有朋を始めとする大物を相手に、毎回あっと驚く派手な仕事をやってのける。 浅田次郎といえば、世間一般には「鉄道員」の人になっているけれど、その前は「蒼穹の昴」の骨太な歴史作家だったし、もっと前は「プリズンホテル」や「きんぴか」の極道作家だった。このシリーズは、彼のそんな多彩な魅力がバランスよく配合されていて、個人的には最も好きな作品。(石飛徳樹)
出版社/著者からの内容紹介
「母を死に追いやり、姉を女衒に売った父の供養なんてできない」少年・天切り松は声を絞る…「春のかたみに」等、裏稼業の世界に生きる人間たちが、意地と見栄に命をかける大正ピカレスクロマン。



(2012/09/11 22:09)

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