メタローグ
かつて天切り松と呼ばれた怪盗が、留置場で若い衆を集めて聞かせる読み切り話。大正時代のモダン東京を舞台に、仕立屋銀次一門の目細の安吉、おこん姐御、百面相の常といった仁義も色気もある個性豊かな悪党たちが、山県有朋を始めとする大物を相手に、毎回あっと驚く派手な仕事をやってのける。 浅田次郎といえば、世間一般には「鉄道員」の人になっているけれど、その前は「蒼穹の昴」の骨太な歴史作家だったし、もっと前は「プリズンホテル」や「きんぴか」の極道作家だった。このシリーズは、彼のそんな多彩な魅力がバランスよく配合されていて、個人的には最も好きな作品。(石飛徳樹)
出版社/著者からの内容紹介
「母を死に追いやり、姉を女衒に売った父の供養なんてできない」少年・天切り松は声を絞る…「春のかたみに」等、裏稼業の世界に生きる人間たちが、意地と見栄に命をかける大正ピカレスクロマン。
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