『不思議の森のアリス』リチャード・マシスン著 2012
9/28
金曜日

リチャード・マシスンは11作目。
16篇が連なる短篇集。
一部、13のショックと被っている作品もあるが、なかなかチープなのから、目の付け所が渋い、までありまして、ラブストーリーを書けたり、サイコ・ホラーや、カルト・ホラーやスプラッタまで書けたり、ファンタジーも紡いでしまう、このリチャード・マシスンという作家は野球選手で言えば、どこでも守られて、打てて、投げられて、の万能選手なんだろう。

例えば「一杯の水」は、ただ、深夜映画を見終えた後、喉が渇いた、という男の話。えぇ、こう引っ張るか、人間が水が無くては生存できないが、ごく普通に飲めている水をありがたいと思わない、普通に飲めることをあたり前と思ってしまう人類への警鐘といってよいのかもしれない。
その他モノモロ、優劣あるが、ショートで頭を短時間でスイッチングできるのが短篇のメリットだ。
切り口を変えると、視点を変えると、新たなテーマとなるマシスンの才能のひとつだろう。


不思議の森のアリス (ダーク・ファンタジー・コレクション)
リチャード マシスン Richard Matheson

4846007618
論創社 2006-08
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登録情報
* 単行本: 342ページ
* 出版社: 論創社 (2006/08)
* ISBN-10: 4846007618
* ISBN-13: 978-4846007614
* 発売日: 2006/08

内容(「BOOK」データベースより)
初期の名品を中心に十六篇を収録。
内容(「MARC」データベースより)
得体の知れない怪物を一人称の日記体で描いた、処女短編「男と女から生まれて」。真夜中、喉の渇いた男が水を飲みたいのに、様々な障害からそれが果たせず苦闘する「一杯の水」など16編を収録。異様な世界をご堪能あれ。

[ダーク・ファンタジー]『不思議の森のアリス ダーク・ファンタジー・コレクション2』リチャード・マシスン/仁賀克雄訳(論創社)

 1.「男と女から生まれて」(Born of Man and Woman,1950)
 2.「血の末裔」(Blood Son)
 3.「こおろぎ」(Crickets)
 4.「生命体」(Being)
 5.「機械仕掛けの神」(Deus Ex Machina)
 6.「濡れた藁」(Wet Straw)
 7.「二万フィートの悪夢」(Nightmare at 20,000 Feet)
 8.「服は人を作る」(Clothes Make the Man)
 9.「生存テスト」(The Test)
10.「狙われた獲物」
11.「奇妙な子供」(The Curious Child)
12.「賑やかな葬儀」(The Funeral)
13.「一杯の水」(A Drink of Water)
14.「生き残りの手本」(Pattern for Survival)
15.「不思議の森のアリス」(The Disinheritors)
16.「不法侵入」(Trespass)










(2012/09/28 22:15)


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