『深夜の逃亡者』リチャード・マシスン著 2012
8/15
水曜日

リチャード・マシスンの読破計画進行中の7冊目。1953年の作品。
帰路フェリーの洋上で一気読みした。

ストーキング行為のはらむ脅威が社会的に問題視されるが、ストーカーの”ゆがんだ愛の表現方法、そのなれの果て”といった、こういったストーカー犯罪者は胸くそ悪いし、自分がこの本中に登場して、その犯人をぶん殴って、一気呵成にやっつけてやりたいと思う衝動を抑えがたい、抗いきれない心境になる。

「そのようないち早く、著者は歪んだ愛情ゆえの異常執着行動を、犯罪者側の心理をつぶさに描いた、サスペンス作品に仕上げている」本書。数多くのストーキングをテーマにした支流、派生的な小説・ドラマの先駆け的作品なのでしょう。60年近く前の作品としては、現代を既に見越しているといえるし、リチャート・マシスンは先見の明があったのでしょう。着眼点が鋭利で心理的に、追い込んでいく、追い込まれていく怖さは、何とも言えません。

しかし、犯罪者と、それに怯える被害者、大事な女を守りきれない不甲斐ない男というのが、これまたどうしようもないセッティング・パターンに見受けられることが多いが、文中でも敢えてそのような役作りとしているのだろうが、うーん、うざいな。

深夜の逃亡者 (扶桑社ミステリー マ 26-2)
リチャード・マシスン 本間 有
4594054838









(2012/08/15 16:06)


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