『社会リズム療法』(7)-社会リズムに注目することの意義- 2012
3/30
金曜日

数回に渡り、「社会リズム」をピックアップしていこう。
本内容は、以下の著書からの要約であり、リワークプログラムの中でも教わった内容となる。
きちんと確認したい方は、本書を手に取ることをお勧めする。

対人関係療法でなおす 双極性障害
水島広子
4422114638

内容紹介
《対人関係療法でなおすシリーズ》の3冊目。「双極性障害」(=「躁うつ病」)とは、気分の高揚とうつ状態とが繰り返し訪れる病気である。単極性のうつ病と誤診されたためにうつがなかなか治らなかったり、病気ではなく性格の問題だとされて、きちんとした治療を受けられずに何年も過ごしている患者さんも多い。また、きちんと診断されても、これまでは薬物療法しか有効な治療法がなかった。本書では、「対人関係」と「社会リズム」という、この病気を発症させる二つの大きな要因に焦点を当てて、薬物療法以外に、自分自身でコントロール可能な方法を日本で初めて紹介する。

<目次>
はじめに
第I部 双極性障害を患うということ  
第1章 双極性障害という病  
第2章 双極性障害と社会リズム
第II部 対人関係・社会リズム療法(IPSRT)の進め方  
第3章 対人関係・社会リズム療法とは  
第4章 社会リズム療法  第5章 対人関係療法  
第6章 双極性障害対策チームを作る
本書の内容の理解を深めるための参考文献
あとがき


「社会リズム」シリーズの第六回目は「-社会リズムに注目することの意義-」の要約となる。

SRMをずっと記録し、社会リズムを安定させていくというのは、確かに厄介な仕事であるし、束縛間も強いだろう。つまらない人生だと感じられるかもしれない。

ただ、時代は以前よりも、双極性障害の人達の味方になってきているような気がする。このところ、病気でない人達も睡眠を効率よくとるために、「毎日決まった時間に起きて朝の光を浴びる」という「睡眠法」が流行っている。また、「食事を毎日定時にとること」の重要性が示されてきている。何を食べるかということよりも、毎日決まった時間に食べることの方が身体にとって重要だ、という専門家もいる。

病気でもない人達が健康のためにこのようなことを気にし始めたということは、それだけ、現代の人間生活が、自然を離れた不規則なものになってきており、健康への弊害が認識されてきているということだと思われる。

双極性障害という病気の「嫌なところ」の一つに、「無理がきかない」ということがある。社会リズムを乱すようなことは避けなければならないからである。これを、現代社会に捉えれば、「不便なところ」ということになるだろう。でも、そもそも「無理がきく」ということが、生物にとって自然なことなのかどうかを考えてみると、便利さとは違う軸も見えてくる。「無理をきかせる」ことが現代社会の異常さなのであって、「無理がきかない」ことは生物としての自然な叫びなのかもしれない、と考えてみると、双極性障害でない人も、双極性障害という病から学ぶことができるかもしれない。

スローライフにもつながっていく視点だろう。
じっくりと考えてみよう。



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