事業者保有データの活用と流通の促進・流通と「第3の壁」の顕著化 2012
3/29
木曜日

シリーズブログ。

野村総合研究所の鈴木良介氏の著書『ビッグデータビジネスの時代』から、なるほどと感銘した部分をピックアップしてみたい。あくまで、本内容は以下の著書からであり、著者に敬意を表し、興味のある方は本書を手にとってご覧いただけますよう。

ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略
鈴木 良介
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内容紹介
「ビッグデータビジネス」は、産業界全般で進むクラウド利用と併せて、2010年代の情報・通信分野における注力すべきテーマの1つになることが予想されています。
本書では、海外を中心とした「ビッグデータ」の活用企業および、活用を支援しようとするIT事業者の最新動向や戦略、ビッグデータビジネスを検討する視点を詳細に解説します。
また、Hadoop、DWH、CEPなどのビッグデータ活用を支える技術やその周辺技術の動向を紹介するとともに、ビッグデータ活用のための課題や利用サイド事業者/支援サイド事業者双方における今後のビッグデータビジネスの将来像などについて広範に解説します。

・ビッグデータビジネスとは何か?
・ビッグデータビジネスの効用と活用事例
・主要陣営の戦略とビッグデータ活用を支える技術
・ビッグデータ活用に向けた3つの阻害要因
・ビッグデータビジネスの将来予測

内容(「BOOK」データベースより)
国内&海外のビッグデータ活用事例、Hadoop/DWH/CEPなどビッグデータ活用を支える技術の解説から主要IT事業者の戦略と商材、将来予測までビッグデータビジネスを徹底網羅。ビッグデータビジネスとクラウド以降のIT潮流を掴むための最適な1冊。

前回、『利用サイド事業者におけるビッグデータビジネスの将来予測』の続きとなるが、著者は予測について3つの提言をしている。

(予測1)フィジカルとサイバーの連携強化とデバイスの重要性増大
(予測2)事業者保有データの活用と流通の促進・流通と「第3の壁」の顕著化
(予測3)それに付随する影の部分として「データセキュリティ」の重要性増大

(予測1)および(予測3)は本書を読んでいただくとして、支援事業者サイドである立場として、今回は(予測2)について要約をさせていただきたい。

事業者におけるデータの活用進展に伴い、データの取得と活用、そして効用の把握がますます進むと、「もっとっこんなデータがあれば、さらに活用することができるのに・・」という欲求が生まれる。また、データの価値とそこから得られる効用、取得・維持にかかるコストに関する理解が深まる中で、「自社にとって非競争領域に属するデータについは、外部から取得すれば良い」という割り切りも進むと考えられる。データの活用者たる買い手が増加することと、データの売り手の増加は相互に影響しながら増大し、データの流通進展とマーケットプレイス(市場)の形成が進むことになるだろう。

社内におけるデータの十分な活用と知見の導出の先にあるのは、より広いデータの活用と、より高い価値を持った知見の導出である。社内死蔵データの活用すらおぼつかない現状を、「第2の壁」を超えていない状態としてきたが、事業者が社内データだけでなく外部のデータを活用し、より高度な知見導出することが「第3の壁」を越えることといえる。

この「第3の壁」を越えることによって、活用可能なビッグデータの量と種類は飛躍的に増大する。

  


続きは、次回に。









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