データ活用の深化に伴う効用 2012
3/24
土曜日

シリーズブログ。

野村総合研究所の鈴木良介氏の著書『ビッグデータビジネスの時代』から、なるほどと感銘した部分をピックアップしてみたい。あくまで、本内容は以下の著書からであり、興味のある方は本書を手にとってご覧いただけますよう。

ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略
鈴木 良介
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内容紹介
「ビッグデータビジネス」は、産業界全般で進むクラウド利用と併せて、2010年代の情報・通信分野における注力すべきテーマの1つになることが予想されています。
本書では、海外を中心とした「ビッグデータ」の活用企業および、活用を支援しようとするIT事業者の最新動向や戦略、ビッグデータビジネスを検討する視点を詳細に解説します。
また、Hadoop、DWH、CEPなどのビッグデータ活用を支える技術やその周辺技術の動向を紹介するとともに、ビッグデータ活用のための課題や利用サイド事業者/支援サイド事業者双方における今後のビッグデータビジネスの将来像などについて広範に解説します。

・ビッグデータビジネスとは何か?
・ビッグデータビジネスの効用と活用事例
・主要陣営の戦略とビッグデータ活用を支える技術
・ビッグデータ活用に向けた3つの阻害要因
・ビッグデータビジネスの将来予測

内容(「BOOK」データベースより)
国内&海外のビッグデータ活用事例、Hadoop/DWH/CEPなどビッグデータ活用を支える技術の解説から主要IT事業者の戦略と商材、将来予測までビッグデータビジネスを徹底網羅。ビッグデータビジネスとクラウド以降のIT潮流を掴むための最適な1冊。

利用サイド事業者がビッグデータの活用を行おうとすれば投資や費用が必要となる。データは<死蔵>するだけでも費用が生ずる。そう考えれば、今まで<垂れ流し>にしていたデータを<死蔵>するようにステップアップするだけでもコストが増大することになる。

当然にして、ビッグデータの活用に際しては、
「ある程度の費用をかけてでも、それに見合うだけの収益向上やコスト削減が実現される」
必要がある。

どのような業務プロセスにおいて、どのようなビッグデータの活用が生じ、どのような効用が期待されるものであるのか?

「データ活用に伴う効用」の段階は多岐にわたるため、(本書では)関心の範囲を確認している。データ活用の類型と効用については、ダペンポートによる分類がしばしば参照される。ダペンポートは、「より深い分析を行うようになれば、より高い競争優位性を得ることができる」という主張のもとで、深化の段階を次のように整理している。

 (1)定例・臨時報告
 (2)調査 (原因特定)
 (3)警告 (対策の示唆)
 (4)統計分析
 (5)予測・推計
 (6)予測モデル
 (7)最適化






このモデルの基本的考え方は、事実の確認だけではなく施策につながる示唆が得られることが望ましく、また、過去の状況の解釈だけではなく未来に生じる予測も可能となることが望ましいという考え方である。

この考え方を踏まえた場合は、最も望ましいデータ活用のあり方は「将来、どうしたら良いのか?」といった施策を示すことである。


「利用サイド事業者にとってどのような効能があるのか?」についての事例は、本書に事例が5つ紹介されている。
関心のある方は本書を読まれるよう(情報はただでは入らない)お勧めしたい。

次回は、「利用サイド事業者におけるビッグデータビジネスの将来予測」について述べてみたい。(えっ、まだ続くんかい?)








(2012/03/24 9:04)


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