最近、『いやな気分よ、さようなら』から『いつも認められたいのはなぜ?』
に続く『”いつも認められたい”の源にあるものは?』をピックアップしてみよう。
〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法
デビッド・D.バーンズ 山岡 功一 夏苅 郁子
David D. Burns 佐藤 美奈子 林 建郎 小池 梨花
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内容(「BOOK」データベースより)
認知療法の気分改善効果は、驚くべきものである。うつ病に対して、抗うつ薬と同等か、それ以上の治療効果があると証明された初めての精神療法、それが認知療法である。本書は、人生を明るく生き、憂うつな気分をなくすための認知療法と呼ばれる最新の科学的方法を示す。抑うつ気分を改善し、自分の気分をコントロールする方法を身につけるための最適の書。
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■問題の源について
そもそも最初にどこでこの承認中毒に陥ったのだろうか。
その答えは、子どものときにその人に重要だった人々との相互関係の中にあるようだ、としか言えない。
それは誤ったことをしたときに過度に批判的な両親だったり、特に
何も悪いことをしていないときでも神経質な両親だったりしたかもしれない。
母親に「そんなことをするなんてなんと悪い子なの!」とほっぺを叩かれたり、
父親に「いつもボーっとばかりでちっとも進歩のない奴だ」と言われたかもしれない。
小さな子どもにとっては、たぶん自分の両親と言うのは神様と同じ。
両親にどのように話し、どのように靴ひもを結ぶのかを教えられるが、教えられることの多くは有益なこと。
例えば父親が「走っている車の中に飛び込んだら死んでしまうぞ!」と言ったとしよう。このことは文字通り正しいこと。
子どもはたいていは両親の言うほとんどの事は正しいと思うし、
あなたもそうだったであろうからこそ、「役立たず!」とか「成長しない奴だ!」
と言われると文字通りそれを信じて、ひどく傷つく。
「父さんはことを誇張して考え、拡大解釈しているんだ」と察するには幼すぎる。
そして父親がその日イライラして、疲れていて、もしかしたらお酒も飲んでいて、放っておいて欲しがっていたかもしれないが、それがわかるほど情緒的に成熟していないため、父親の爆発が父の問題なのか自分の問題なのかわからなかったかもしれない。
またもし父親が理に合っていないとわかる年になって、正しい考え方をしたのに
それが裏切られて失望する、ということもあっただろう。
従って、誰かに反対されるたびに自動思考に自分を見下してしまう悪い習慣が育ってくるのは、もっともなこと。
子どものときにこの傾向をもってしまうのは自分の落ち度ではないし、この盲点をもって育ったことも責められることではない。
しかし、物事を現実的に考え、このようなもろさを克服するために努力することは成人したあなたの責任なのである!
子どもの頃の出来事が、近しい人(父親や母親等)の称賛を得ようと熱心に頑張っていないだろうか?
自分には本当の価値などなく、劣っていて愛されていないと思っていた、この自己評価を
他人の承認と賛同を得ることによって埋め合わせしようとしていなかっただろうか。
生き方がまるで穴のあいた風船を一杯に膨らまそうとして常に努力しているようなものではなかっただろうか。
新しい視点にこの記憶を持っていくことによって、あなたが他人の意見に
自分の価値を関連させて、いかに理屈に合わずに自分をダメにしていたか
理解できるようになろう。
おそらく、あなたも
他人の承認が大切と思っていたことが、非常に現実的でない事だと思い始める
だろう。
最終的にあなたが、そして唯一あなただけが、
自分を堅実に幸せにする事ができるということ。 |
他の誰でもない。
次回は、「承認されたい」ことのどのように克服していくかに焦点をあててみよう。
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