とある女性からの相談とその解答。
相談された女性はそれこそ何とかしたい、必死の叫びなのでしょう。
先週から認知療法セミナーが新しいクールで始まっています。
”認知の歪(ゆが)み”を学習するための例題として採り上げられたお題から拝借。
■女性からの相談
30代半ばの会社員女性。これまでの人生を怠けてきたため、全てがうまくいきません。
中でも一番の悩みは恋愛ができないことです。
男性を紹介してくれそうな人脈はないので、インターネットで見つけた出会い目的のパーティーや社会人のサークルなどで恋人探しをしました。でも、人間的な魅力も運もない私には、よき出会いが全然ありません。
若い頃は勉強も仕事も中途半端で、「まだ時間がある」と恋愛にも努力しませんでした。こんな風に怠けて生きてきたことを心から後悔しています。今更ながら自分磨きを試みていますが、磨くべきところや、直そうと思い当たる部分が多すぎて、どこから手をつければいいのか混乱します。
悪あがきとわかっていても、少しでも人生をよくしたい。生活態度や性格、外見や仕事など、まず何からやっていけばよいでしょうか。
(埼玉・A子)
|
■質問のどこに「認知の歪み」があるでしょうか?
アンダーラインを引いた部分がそうです。
以下を参照し、認知の歪みの定義のどれに該当するのか、考えてみて下さい。
●「認知の歪みの定義」
●更に詳細を見たい方は本家本元の「バーンズの認知の歪みの10定義」をご覧下さい。
アンダーライン一箇所にひとつの歪みの定義があるとは限りません。複数の認知の歪みが混在しています。
30代半ばの会社員女性。これまでの人生を怠けてきたため、全てがうまくいきません。
中でも一番の悩みは恋愛ができないことです。
男性を紹介してくれそうな人脈はないので、インターネットで見つけた出会い目的のパーティーや社会人のサークルなどで恋人探しをしました。でも、人間的な魅力も運もない私には、よき出会いが全然ありません。
若い頃は勉強も仕事も中途半端で、「まだ時間がある」と恋愛にも努力しませんでした。こんな風に怠けて生きてきたことを心から後悔しています。今更ながら自分磨きを試みていますが、磨くべきところや、直そうと思い当たる部分が多すぎて、どこから手をつければいいのか混乱します。
悪あがきとわかっていても、少しでも人生をよくしたい。生活態度や性格、外見や仕事など、まず何からやっていけばよいでしょうか。
(埼玉・A子)
|
このような解答がありました。
「怠けてきた」としきりに後悔されているようですが、あなたは怠けてなんていないかと思います。怠け者はこうして反省しないし、わざわざ手紙を書いて相談したりしません。それにあなたは自分磨きをしたり、出会いのパーティーやサークルにも参加したりしている。十分に努力しているではありませんか。
恋愛が出来ない、とのご相談ですが、それはあなたが怠けてきたからではなく、単純に「モテないから」だと開き直ったほうがよいと思います。そもそも恋愛は努力するものではなく、落ちるもの。間違えてすることです。
実際、恋愛している人たちを見ると、「なんでこんなヤツと?」「どこがいいの?」とききたくなる。文字通りミステイクしている。努力してミステイクする人はいませんし、ミステイクは努力してできるものではありません。恋愛とは他の事に努力しているときに、足を引っ張るかのように陥ってしまう一種の病気なのです。
あなたは辛い難を逃れているのですから、好きなことや仕事にまい進して下さい。恋愛していなくても、きっと輝ける。間違いのない人生。それを目指すと、何かの拍子に恋に落ちたりするんですね、これがまた。
|
解答の善し悪しは別として、この解答を読まれて”なるほど、ごもっとも”
と感心していただくためのものではないのです。
この女性が本来の出来事が認知の歪みがある故に、事実としてみられなくなっているのです。
「認知療法」を実践することで、
・いろいろな角度から物事を捉えられるようになること
・自分の感情や気分が害されないようになること
・それらを通して柔軟性を持つことができるようになること
を習得していただきたいのです。
「ちょっと待ってよ!」と違う感情や気分になっていただきたいものです。
今、あなたが自分で感じること、自分が受け取ることが、あなたの全てではないということです。
陰ながら祈っております。
(2012/01/12 19:28)
|