認知療法の基本モデル

2011
12/27
火曜日

少し前に学習した『認知療法の基本モデル』について整理しておきたい。


図1.1に「認知療法の基本モデル」を記す。
「認知モデル」は4つの領域<気分(感情)⇔思考(認知)⇔行動⇔身体>が相互に影響を及ぼしている。

的な出来事が感情や身体反応を直接引き起こすのではなく、そうした出来事をどのように認知するかによって身体反応や気分(感情)、行動が異なってくる。(※ウィッキペディア参照)

人間は世界のありのままを観ているのではなく、その一部を抽出し、解釈し、帰属させているなど「認知」しているのであって、その認知には必ず個人差があり、客観的な世界そのものとは異なっている。
それゆえ、誤解や思い込み、拡大解釈などが含まれた自らに不都合な認知をしてしまい、結果として様々な嫌な気分(怒り、悲しみ、混乱、抑うつ)が生じてくると仮定している。
認知療法では不快な気分や不適切な行動の背景として「思考(考え方)」つまり「認知」に着目し、この不都合な認知⇒気分の流れを紙などに書いて把握すること、また、それらに別の観点を見つけるべく紙に書いて修正を試みる事が根幹である。
そのために根拠を問うたり、ステレオタイプな認知を歪みと命名したりする。
(※ウィッキペディア参照)

紙などに書くこと”の1つとしては→「7つのコラム表」を参考されたし。

図1.1の「スキーマ」とは
自分の特徴的な考え方のクセで、自分の考え方や行動パターンに大きく影響するもの
である。(※ウィッキペディア)
   → 『スキーマに挑戦しよう』
   →『スキーマ調査票』『スキーマに対する根拠の検証用ワークシート』

図1.1「認知療法の基本モデル」

「認知療法の基本モデル」では出来事をどう捉えるか、がポイント

<出来事> 自分ではどうしようもない他人の出来事
<思考(考え)> 「やりかたが汚い」「あの野郎」「「我慢できない」など
<気分(感情)> 怒り、フラストレーション、恐れ、罪の意識、etc
  →感情は出来事そのものではなく、それを意味づけることによって湧いてくる。
  →感情は出来事をどう解釈するかによって違うということ。
<行動> 相手を怒鳴りつけるか、冷たく無視する。その見返りがくる。


図1.2に「認知療法の実際」を記す。

『認知行動療法』は、「認知的技法」と「行動的技法」が両輪の役割を果たしながら、効果を高めていく、
といえるだろう。

図1.2 認知療法の実際


〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法
デビッド・D.バーンズ 山岡 功一 夏苅 郁子
David D. Burns 佐藤 美奈子 林 建郎 小池 梨花

4791102061

内容(「BOOK」データベースより)
認知療法の気分改善効果は、驚くべきものである。うつ病に対して、抗うつ薬と同等か、それ以上の治療効果があると証明された初めての精神療法、それが認知療法である。本書は、人生を明るく生き、憂うつな気分をなくすための認知療法と呼ばれる最新の科学的方法を示す。抑うつ気分を改善し、自分の気分をコントロールする方法を身につけるための最適の書。


■カクテルパーティ効果【選択的注意】
選択的注意:特定の刺激情報だけを選択的に知覚する 。注意を向けた刺激は聞き取れるが、向けない刺激は聞き取れない。
(1) ブロードベンドのフィルター説:注意をむけていない刺激はシャットダウン
(2) トレイスマンの減衰器説:注意を向けていない刺激は小さくなる
(3) カーネマンの限界容量説:注意能力には限界がある

※以下の項目は、特に説明は割愛し、他のサイトからのペーストですのでご参考まで。

■【安全希求行動】
認知行動療法では、クライアントの抱える問題を、常に認知的視点から概念化し、それに基づいて治療計画が立てられます。
「認知的概念化(ケースフォーミュレーション)」とは認知行動療法の視点からなされる診断のことです。特定の状況における感情,行動,身体状況からそれらに関連する自動思考(非機能的な思考・信念)を同定し,その背景にあるスキーマ(中核的信念および媒介信念)を推測します。例えば、不安障害の方には不安スキーマが存在し,不安スキーマが不安に関連した自動思考を引き起こし,これが不安症状をもたらすというのが,不安の認知理論です。不安に伴う認知は身体的危険か心理的危険を主題としています。身体的危険として代表的なものには,パニック障害(PD)における「心臓発作が起きるに違いない」という破局的思考などがあります。また、心理的危険として代表的なものには,社会不安障害(SAD)における「みんな私を嫌うだろう」などの恣意的推論などがあります。不安スキーマは,危険を過大視させ,恐怖の対象に注意を向け,以前の不安体験を選択的に想起させます。その不安を軽減するために回避行動などの安全希求行動(中和反応)を行うことで,症状が持続するのです。ですので、不安障害の方の認知的概念化を行う際には,不安を持続させている不安スキーマの存在に常に注意を払う必要があります。認知的概念化は図として提示し,クライアントと治療者が情報を共有しながら適宜検討・修正を行うことで,クライアント自身の自己理解を深めるとともに,治療を進める上での地図の役割を果たすことになります。認知的概念化はクライアントと治療者が共同して、問題を理解していくことが必要ですので、認知行動療法では、クライアントと治療者の間に、良好な信頼関係が築かれている必要があります。クライアントが治療について充分理解している必要がありますので、障害、認知モデル、治療の進め方について心理教育を行います。その上で、治療にて扱う問題を同定し、具体的な治療目標を設定します。


■【選択的注意】
誰でも、いわゆる注意を引くものに反応しやすく、また、慣れ親しんだ反応形態に陥りがちであります。しかし、日常および職業活動上、それほど気が散ることなく、求められた作業を一定時間集中して、それなりに迅速にこなすことができます。選択的注意には、特定の標的をみつける選択的抹消試験において要求されるレベルのものも含まれますが、ここで問題とするのは、より負荷の高い作業におけるものです。すなわち、一般的に注意を引きつける刺激・情報への反応傾向を抑制しつつ、比較的難しい処理を持続して行なう「集中力」のことをいいます。




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