【ステップ1】問題解決能力を育てる |
◆第1段階 |
問題解決を遅らせる考え方に挑戦する
問題解決に取りかかる前に次のように自分に問いかけてみる
・自分に語りかけてみる
・ゆっくりと、一回にひつずつ取り組む
・挑戦の機会と考えて、成長のために役立てる
・今回解決出来なくても、何が問題かがはっきりする
いざ問題解決に取りかかろうとしても、そう簡単には取りかかれないことが多い
そのような時には、行動を妨げるようないろいろな自動思考が浮かんできている
その自動思考を書き出して、さらにそれに対する根拠と反証を書きだし、自動思考に
反論してみる
問題解決を妨げる自動思考→それに対する反証の例
【例】「こんなことが起きて大変だ」
→【反論】「問題が起きるのはあたりまえだ」
例】「どうして自分にだけこんなことが起きるんだろう」
→【反論】「起きたことは事実だ」
例】「自分にはどうすることもできない」
→【反論】「やってみないとわからないし、問題は基本的に解決可能だ」
例】「つらくてどうしようもない」
→【反論】「つらい気持ちは心のシグナルだ」
例】「すぐにとりかからないと大変なことになる」
→【反論】「急がば回れ,立ち止まって考えよう」
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◆第2段階 |
問題解決技法を身につける
次に具体的な問題解決技法について、ここでは5つの段階に分けて説明する
<(1) 問題の明確化>
困った事実に陥ると、感情に押し流されて、具体的な問題が見えなくなる
「困った、困った」と言うだけでは、どうすることもできない
行動に移る前に、解決可能な具体的な問題を見つけることが先決
次の作業をする
・関係している情報をできるだけたくさん集める
・明確な言葉で事実を記述する
・問題を引き起こしている要因をはっきりさせる
・問題に関係ある情報と関係ない情報を区別する
・客観的な事実と、不確かな推測や解釈を区別する
・現実的な問題解決目標を決める
さらに次の3つのことに注意しながら解決すべき具体的な問題を決定する
・誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように?
(現場のイメージが目に浮かぶように、具体的ではっきりした言葉を使う
・目標を決める
(目標をひとつあるいはそれ以上、簡潔に書き出す
現実に沿った目標をはっきり書く)
<(2) ブレーンストーミング>
ブレーンストーミングは、できるだけ頭を自由にして、思いつくままにアイデアを
考えていくという意味
頭の中を嵐のように考えが吹き荒れている状態にする
<(1) 問題の明確化>で出てきた問題に対する解決法を、できるだけ多く考える
その考えに筋が通っているかどうかの判断は後にする
気持ちが動揺しているときには、冷静な判断は出来ない
まずは、たくさんの問題解決の方法を思いつくことから最優先する
【ブレーンストーミングの3つの原則】
(a)数の原理
数の原理には2つのルールがある
・できるだけ多くの解決策を考え出す
・すでに考え出したことを組み合わせて、別の新しい解決法を考え出す
・できるだけ多くの解決法を考え出す
(b)判断延期の原理
解決法の中には、あまり役立ちそうにないものや、ばかしく思えるものがあるかもしれない
しかし、ここではそうした判断はしないようにする
ここで大事なのは、できるだけ多くの問題解決方法を並べてみる
判断は後回し
(c)作戦-戦術の原理
作戦と戦術を区別する
作戦とは、問題を解決するために計画した一連の行動を指す
戦術とは、作戦を成功させるためにある特定の状況で行う具体的な作戦行動
中長期的な作戦を念頭に置くにしても、ここでは目の前の問題を解決する戦術について考える
くれぐれも、人生の大目標をここで達成しようとはしないこと
<(3) 解決行動の決定>
<(2) ブレーンストーミング>で考えたそえぞれの方法の長所と短所について考える
それを実行するまでにどのような障害があるのか、実際に実行したときにどのような問題が出てくる可能性があるのか、また逆に、その方法を使った場合に問題が解決される可能性がどの程度あるのか、といったことをここで考える
そして、一番実行しやすく、問題解決につながる可能性のある方法を選択する
<(4) 実行>
<(3) 解決行動の決定>で選択した方法を実行に移す
余裕があれば、予行演習をしてもいいかもしれない
頭の中で、シミュレーションをしてみるのもひとつの方法
<(5) 最終評価実行>
<(4) 解決行動の決定>の行動結果を評価する
上手く問題が解決していれば、それでいい
解決出来ていないときには、<(1) 問題の明確化>に戻って、そこでの問題をもう一度はっきりさせるようにする
この問題解決技法は難しいものではない
いつも、自分たちが日常に使っている方法
それを思い出すだけでよい
【実行例】
<(1) 問題の明確化>
異動したばかりなので新しい仕事に馴染めないし、うつ的になっているので、仕事が片づかない
<(2) ブレーンストーミング>
(a)同僚に相談する
(b)部下に押しつける
(c)上司に相談する
(d)以前の上司に相談する
(e)遅くまで残業してできるだけ仕事を片付ける
(f)途中で抜け出して帰宅する
(g)人事に異動を申し出る
(h)メンタルクリニックを受診する
<(3) 解決行動の決定>
(a)同僚はわかってくれるだろうが、かえって負担をかけることになるかもしれない
(b)部下に押しつけるなどというのは問題外だ
(c)どういう人かまだよくわからないところがあるが、適切なアドバイスを
してもらえるかもしれない
(d)以前の上司は話しやすいが、今の仕事のことはよくわからないかもしれない
(e)無理をすると心身の調子がますます悪くなる
(f)問題が大きくなるだけだ
(g)異動したばかりでもう一度異動するということはまず無理だし、人事考察にも
影響しないかも心配だ
(h)ちょっと敷居は高いが、専門的なアドバイスをもらえるかもしれない
このように考えて上司に相談すること(c)に決めた
<(4) 実行>
上司に相談した
<(5) 最終評価>
上司は、人時の知人と相談して、いくつかの仕事をほかの人に割り振りふる算段すると答えた
<残っている課題>
どの仕事を他の人に頼むかを考える必要がある
新しい仕事の内容について少しずつ勉強する方法を考える
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【ステップ2】アクションプランを立てて行動する |
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思い切って行動して、その結果をみる
これは「実験」なのだと考える
-いますぐ結果の出るものだけではなく、のちに多く飛躍できる可能性がある実行しやすい行動にチャレンジすることも大切
うつや不安を感じているときには、気持ちが内向きになって自分の世界に閉じこもりがちがちになる
そうすると一時的には楽になるが、なかなか自分の思い込みから開放されない
自分の思い込みが本当に合っているのかどうか確かめることができない
何より問題にどう対処することができなかったという思いが残る
閉じこもることは、長い目で見ればけっして得策ではない
逆に、不安を感じている場面に思い切って足を踏み入れば、意外と簡単に問題が解決することもある
それに、自分の予想が正しいかどうか確認することができるし、現実的な問題も解決しやすくなる
くよくよ思い悩んで考えが堂々巡りになっているときは、心の中で「思考停止」とかけ声をかけて行動に移る
アクションプラン(行動計画)を立てる
具体的なプランを立てる
-プランは包括的なものではなく、細かく段階付けたものにする
問題解決に向けて次の順番でアクションプランを立てていく
<(1) 目的を決める>
・結果を諦めず、実験を繰り返すことが大切
・自分が変えたい、改善したいと思っている行動があるか?
・職場で、家庭で、友人関係で、自分一人でいるときは、そうした行動が
ないかどうか考えてみる
・もしそうした行動があるとして、改善を妨げている要因になっていることはないか
・こうした事柄について、思いつくままに書き出していく
その上で、まず解決可能な目的にチャレンジする
=アクションプランを立てる上でのポイント=
・課題は、できる範囲で少しずつ決めていくようにする
・自分の力にあった具体的な課題を設定する
・一度にいくつもの課題を解決しようとしないで、ひとつひとつ行動するよう心掛ける
・まずは自分に関心がある課題に集中する
・他の人の意見も聞いてみる
・その課題から身につくことを書きだしてみる
・あらかじめ練習しておく
・行動の妨げになりそうなものを見つけ解決しておく
=問題の対処法を考えるとき、自分に問いかけてみては?=
・これまで、同じような問題にどう対処してきたか?
・その方法を、今度の問題に使ってみたか?
・その方法を今後の問題に使えない場合、何が障害になっているか?
・次にどのような方法を試してみようと思うか?
=不安が強いとき、以下のような注意をそらす方法が役立つ=
○人間関係を利用する
・家族と話す
・友達に電話をする
○思考を利用する
・本を読む
・100から7を引く
・足し算をする
・クロスワードをする
・冗談を言う
・ゲームをする
・コインを50枚投げて1枚ずつ数えながら拾っていく
○身体感覚を利用する
・音楽を聴く
・テレビを見る
・ラジオを聴く
・周囲の迷惑にならない程度に音を立てる
・一点に注意を集中してその方向に向かって歩く
・通りすがりの人に問題を聞いたり道を尋ねたりする
・冷たい水を口に含む
○身体の動きを利用する
・リラクゼーション
・腹式呼吸
・膝の屈伸運動
・体操
・散歩
・足でリズムを取る
・その場で駆け足をする
・ガムを噛む
・堅いものを噛み切る
・周りにあるものを拾い上げる
・指と指とをできるだけ近づけしかも接触しないように真剣に試してみる
<(2) ワークシートを利用する>
○行動目標と試したい考え
・自分の生活の中でどんな部分を変えたいのか、そしてどのような
考え方を試してみたいのか?
○アクションプラン
・行動計画はできるだけ具体的にする
→アクションプランはできるだけ細かく分けて考えた方が実行しやすい
○開始予定時期
・その計画をいつから始めるか
○予想される問題
・行動の妨げになりそうな問題は何か?
○問題が起こったとき問題を乗り越える手段(対処法)
・もしそういう問題が起こったらどう対処すればよいか?
○実験結果
・行動してみてわかったことは何か?
○新しい考えの確信度
・上述の結果、新しい考えをどのくらい確信できるようになったか?
○この実験から学んだこと
・その行動の結果と、そこからどのようなことがわかったか?
=ポイント=
そのときどきにふり返るだけではなく、いくつか実験的な行動をしたあとに、
まとめて全体を振り返ってみることも役立つ
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【ステップ3】生活リズムを回復する |
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生活を立て直す
精神的な疲れの蓄積→生活習慣の乱れ→気分がすぐれない→ますます生活が乱れる
の悪循環を繰り返す
↓↓↓↓↓
悪循環を断ち切る
↓↓↓↓↓
生活習慣を立て直す
週間活動記録表を利用する
気分や睡眠を安定させるためには、リズムのある生活を送り、昼と夜のメリハリをつけること
「週間活動記録表」は生活のリズムを掴むのに役立つ
自分の生活を客観的に眺めて、ストレスになっていることや気持ちが楽になることがわかり、次の活動目標を立てる助けとなる
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