楽しいことの上塗り 2011
10/5
水曜日

日本の伝統色によるとこの背景色は国防色(こくぼうしょく -#7b6c3e- )という。

さて、リワークは14日目を迎えている。

昨日の「心理療法」では精神医療・福祉に従事してもうすぐ30年になる土屋 徹氏を迎えてのプログラムだった。
数冊の著書もあり、かなり精力的に活動されていることがブログから窺い知ることが出来る。

さて、昨日のプログラムから要点を書くと、
以前は「精神病者」とよばれていたが、現在は「障害者」と言われるようになった。
前者は”よくならなければならない”
後者は”病気を持ちながら生活できる””生活がうまくいけばよい”
と考えるようになってきた。

病気の”症状を無くそう”と考えるのではなく、”うまく付き合う”ことがポイントとなる。

「状態」は「症状」ではない。
これは僕も混同していたのだが、
例えば
「夜、寝付けない、眠られない」は状態であって、症状は「睡眠障害」ということになる。

「朝、起きられない、布団から出られない、何をするにも不安で何にも手が出せない、
 一日中、何もする気が起きない」は状態であり、「うつ病」の症状を呈している、という解釈だ。

「自分の基準で考える」、自分が寛解期と比べてどうなのか、が大事。
他人と比較してはいけない。
あくまで、自分の安定状態と比べて今がどうなのか、ということ。
例えば毎日飲酒するかたは、ある意味日中でも”ハイ”な状態が続いているので、
ある期間禁酒した場合がその人の素の状態といえる。

自分の基準があって、それよりマイナスでも社会生活に支障がなければいい、という考え方。

印象に残ったのは、『喪失感』への対処は、(起因となったことに対し)忘れるのではなく、
「楽しいことの上塗り」をしていくことだ、とおっしゃっていた。

震災を受けた方なども、数年、もしくはそれ以上の喪失感を味わうだろう。
”楽しいことの上塗り”をすることで、喪失感が薄らいでいく(薄らいでいってほしい)。

忘れようとしても簡単には『喪失感』は癒えるものではないだろうが、
いつまでも宝のように引きずっていては、永遠に浮き上がることすらできない。

『楽しいことの上塗り』が、真逆の『辛いことの深掘り』になってしまう。

「辛いこと」があったから手放しで喜んではいけない、と自分を押し殺すのではなく、
「楽しんでいいんだよ」と自分を解放できれば楽になるのではないだろうか。

「楽しいことの上塗り」は、僕にも説得力のある教えだ。
肝に銘じよう。


(2011/10/05 9:03) 修正:(2011/10/05 20:34)


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