連続テレビ小説『カーネーション』 2011
10/4
火曜日

休職させていただいて、恐縮ではあるが、唯一決まってしていたことがある。
NHK朝連の「ひまわり」を観ていた。
この朝の連続テレビ小説で、過去に観たのは入社したての頃、ブームとなった「おしん」だった。
(それ以来、ご縁がなかった)

この連続テレビ小説は、以下の4パターンで観ることが出来る。
 (1) 8:00~
 (2) 12:45~
 (3) 18:45~ (NHK BSプレミアム)
 (4) 9:30~ (毎週土曜日、一週間分をまとめて)

朝は当然起きられなくても、どこかのパターンで取りこぼしなく話についていくとができる。

10月3日から始まった『カーネーション』
 時は、大正13年、
 場所は、岸和田。
岸和田の象徴であるだんじりも織り交ぜながら、話は展開すると思われる。
このドラマは外せない。

25~6年前、会社の独身寮が「南海本線 春木駅」から程近い岸和田にあった。

仕事に行くと、泉州、岸和田、和歌山界隈の同僚や先輩がいる。
有名な「岸和田だんじり」が近づくと、こいつらは漏れなくソワソワする。

だんじりの一番の華は、屋根の上で勇ましく飛び跳ねる「大工方」と呼ばれる人だ。
ここに登れるのは、ある種の超エリートだと思う。

職場で休憩時間にもなると泉州・岸和田男は、うちわを両手にもっては、この「大工方」になりきる。
ほんとうになりきっているのだ。
子供時分から、いやオギャーと生まれ落ちた時から、男親は息子へ愛情込めてだんじり教育をする。

一つ上の先輩が、「岩佐よぅ、今年、お前もだんじり曳いちゃらええさけぇ、曳けよ」

何を言わんや、私は岸和田に寮こそあれ、岸和田人でもなければ、だんじり一色に
洗脳され、人生の全てがだんじりに集約・収束する土壌で育っていないではないか。

 「初めてのよそもんが、曳いてもええのんか、えっ」
軽く躱せると思った。

 「あほっ、ええに決まっちゃあるよってよ、ほな、仕事終わったら買いにいこけ、
 法被(はっぴ)は貸しちゃるさけぇ!」


有無も言わせず、バッチ(股引・ももひき)と足袋を買った。
買わさせられた、が正しい。

二日間、だんじりの綱を曳いた。
「そうりゃ、そうりゃ、そうりゃ、いてまぇ、いかんかい、おっ・・・」

あの威勢よさとエネルギーは想像を絶するもので、だんじりを曳くと同時に、僕は岸和田男になりきっていた。

勇ましく、情熱篤く、この一年のすべてをだんじりに賭ける岸和田住民。
熱いハートは、まんざら捨てたものではない。



(2011/10/04 8:58) 修正:(2011/10/06 6:53)


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