認知療法『7つのコラム法』 2011
10/20
木曜日

リワーク24日目、木曜日はデイケア(9:30-15:30)のみなので、気分的には楽だった。
※月・火・水・金はナイトケア(16:00-20:00)まであり、参加は本人意志だが、デイケア+ナイトケア(9:30-20:00)まで出るようにしている。

ブログを見ていただいている上司のXX課長はメールで、 ”リワークがんばってください
(いや!がんばりすぎないように)”と気遣ってくださる。
感動にうち震え、少しばかり涙を流す素振りをしてみた。(冗談です)


さて、今日は講座を二つ学習した。
 (1)認知行動療法セミナー
 (2)気分障害「双極性障害」
いずれも主治医のドクターからの講座だった。
(2)の気分障害「双極性障害」はいずれ整理しておきたいが、ボリュームがありすぎる・・・

まずは、認知療法で最も活用されている『コラム法を活用する-認知再構成する方法のひとつ-』について備忘録的に書いてみる。

私たちはひとつの考え方に捕らわれるようになると、どうしてもマイナス思考の悪循環となり、それを断ち切る必要が出てくる。

認知療法では、マイナス思考をプラス思考に変えるのが目的ではなく、問題解決に役立つような現実的で柔軟な考え方ができるようになることが目的となる。

気持ちが動揺したときに頭に浮かんでくる考えやイメージ(自動思考-<瞬間・瞬時に頭に浮かぶこと>-)に注目して、それを現実的なものに変えていくこと。

そのための手法として、『7つのコラム法』が役立つ。

順追って概要を紹介するが、あくまで自分が噛み砕いた言葉にして、
自身のガイドとして、いつでも利用できるように整理しておくことが目的。

【7つのコラム法】 ※主語は自分で考えてみる
状況

・シーン:気持ちが動揺し辛くなった。不適切な行動をした。etc
・状況を観察し、客観視する(主観は排除)
・4W1Hの原則で具体的に書く
 ※WHY-何故-は思考が入ってしまうため除く

気分(%)

・気分や感情を文章ではなくひとつの言葉(one word)で書き込む

憂うつ 不安 怒り 罪悪感
悲しい 困惑 興奮
おびえ いらだち 心配 誇り
無我夢中 パニック 不満 神経質
うんざり 傷ついた 快い 失望
激怒 怖い 楽しい 愛情
侮辱された 腹が立つ 後ろめたい 恥ずかしい

※似通った言葉の代表でよい
※高い(%)気分から書くとよい

・気分(感情)のあとに、その気分の強さを100段階で書き込む
 ※注意:感情に翻弄されないこと
 -気分が存在しない→0%、強い気分の状態→100%としてどの程度か


自動思考

・第2コラムの気分(感情)を体験した瞬間に浮かんだ考えやイメージ(自動思考)を書く
  ※短時間(1h~1日)の範囲ではなく、瞬間(ワンスライス)を捉える
・できるだけ逐語的(一語一語を忠実に)に書き出す
・書き出した考えををどの程度確信していたか100段階で書き込む
 -完全に信用→100%、全く信じていない→0%

<追記2011/10/28>
※過度に否定的な感情が生じた時に
 「今、どんなことが頭に浮かんだのだろうか?」
 「たった今、自分の頭をどんなことがよぎったのだろうか?」
と自問することで、自動思考を容易に把握出来るようになる
-自分に対してどう思ったか?
-他人や周囲の出来事に対してどう思ったか?
-将来に対してどう思ったか?
※妄想から離れ、現実をみる
(私は)信頼されていない
(私は)バカにされている
(私は)この関係にやっていけない
(私は)将来が不安だ
(私は)周りの目が気になる

根拠

・自動思考を裏付ける事実<根拠>を書き出す
・あくまで事実だけを書き出す
・相手の心の中を読むような勝手な思い込みや事実の解釈は避ける
・体験でなくても普遍的な事実でもよい

反証 ・自動思考と矛盾する事実<反証>を書き出す
自動思考に捕らわれすぎないこと(2011/11/02追記)


【反証のポイント】

-見逃しはないか?
-他人が同じような考え方をしていたら、あなたはどのように言ってあげるか?
-あなたがそのように考えているのをあなたの親しい人が知ったら、
 その人達はどのように言うか?
-元気なときは違った考え方をしていないか?
-5年後、10年後に同じ体験をしたとすれば、どのように考えるか?
-同じような体験をしたことはないか? あったとしてどのような結果
 だったか?その時の体験でいま応用可能なものはないか?
-自分の力だけではどうしようもならない事柄で自分を責めていないか?


適応的思考

・(根拠)と(反証)を元に、視野を広げたバランスのよい
 別の考え方(適応思考)を書き出す
・自動思考に代わる柔軟で現実的な考え方を書き込む
・(根拠)が自動思考に完全に矛盾する場合、
  →その(根拠)に基づいた新しい見方を書く
・(根拠・反証)が部分的に自動思考を裏付ける場合、
  →両方を要約し、よりバランスのとれた見方を書く
・これら新しい考えをどのくらい信じているか、0~100%の100段階で書く
【注意】
・バカバカしいと思えるようなものも、簡単に書き出しておく
 何故か?→ストレス状況にあるときは視野が狭くなっていて、あとで
 見直すと役に立つ考えでも、意味がないと判断してしまう危険性があるため
※全体的にみて、
 (将来に対して)人生観に考え方が、しなやかに、柔軟に変わることが大切
 自分を修正する、幸せに生きる道を見つける
 支持されていることが大事
 周りに恵まれていると感じられること



【適応思考に辿り着くために】

(根拠)、(反証)を振り返って、状況に別の理解のしかたはないか?

自動思考を裏付ける全ての証拠(根拠)をひとつの文に要約し、次に自動思考に矛盾するすべての証拠(反証)もひとつの文に要約する
この2つの文を「そして」でつなぐと、あらゆる情報を考慮に入れた総合的な考えになる

親しい人がこのような状況で、同じような情報を手にして、同じように考えているとき、あなたはどのようにアドバイスをするか? どのように理解すればいいと言ってあげるか?

自動思考が当たっているとして、この先を考えたとき、
 ・最悪のシナリオはどんなものか?
 ・最良のシナリオはどんなものか?
 ・一番、現実的なシナリオはどんなものか?

あなたが信頼している人のことを思い出してみて、この状況についてほかの見方をする可能性はないか?


心の変化

・考えを変えて感情や気分がどのように変化したか(結果)を書き込む
 :気持ちが楽になった→新しい考えが役立った
 :あまり変化がみられない→別の見方や考え方ができないか
・ストレスに押し潰されない柔軟が考え方が見つけられるようになる

しかしながら、抑うつ状態、特に底を突いた近辺では思考力は完全に枯渇しており、本コラム表を書くには多量の苦痛を伴うだろう。ある程度の回復状態に差し掛かっているか、寛解期の時期を捉え、過去を振り返りながら実践していくことが得策と感じた。


さあ、最後まで熟読いただいた方は、かなりの忍耐力があるのか、
過去に認知療法のコラム法を習得されているかたではないか。

お読みいただき、ありがとうございました。

(2011/10/20 18:08)
追記(2011/11/05)
 


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