『認知の歪み』 2011
9/30
木曜日

省吾のバイポーラサイト(New Window)

リワーク(11日目)、この中で各種プログラムを実施・学習をしていますが、『認知の歪み』について紹介します。これは『認知行動療法』の一つとしての用語です。予備知識として、『認知療法』とは、自分の考え方の癖を知り、自分を客観的視する練習や、考え方の幅を広げるプログラム。

『人はものごとに左右されるのではなくそのものの見方に左右される』 ギリシャ哲学者エピクテスト(紀元前342-270)
『良いものとか、悪いものは存在しないので、考え方次第なのだ』 シェイクスピア「ハムレット」第二幕場面2)

直面したストレスになる出来事をコントロールすることはできないかもしれないが、
それらに対する自己の反応をコントロールすることを学ぶことができる。


-2012/01/12追記-
※「認知療法」は、認知を変えて気分を変える。いろいろな角度から考えられる柔軟性を持つ。
※「行動療法」は、行動から変えていくこと。認知がなかなか変えられない時は行動から変える。(朝の散歩から始めてみるとか)
※「プラス思考」は、ある意味で洗脳的であって、一方向から行動を変えていく方法。認知まで踏み込んではいない。
※認知と行動は結びつきやすい
※客観視すること。(カメラ目線)
※言葉の解釈、落とし穴に気を付けよう。

認知療法」はある出来事により、自分の感情が悪くなるときに対応する方法であって、認知の歪みがあっても自分の感情を害さないときには問題がないし効果的ではない。認知の歪みが悪いということではなくて、例えば親が亡くなったときに無理して明るく振る舞うことはない。
『ちょっと待てよ』、今までとは違う感情にしよう。


これらの用語として、

認知

まわりの出来事の受け止め方、ものの味方

認知行動療法

認知に働きかけて心理的なストレスを軽くしていく治療法

自動思考

ばっと頭の中に浮かんでくる考え方のイメージ
※意識はしていないが、自然と思ってしまう気分や感情。自分なりの認知をしてしまっている。

ホットな思考

中でも特に強い感情を引き起こしている自動思考

スキーマ

心の癖、絶対的信念、心の根底にある信念、信条、確信、「心」人間の記憶中に蓄えられた知識の構造

コラム法

欄(コラム)に分けて思考を記録する方法

認知の歪み

感情を崩す時の考え方のパターン。極端なものの考え方や受け取り方

適応思考

自動思考に代わる柔軟で現実的な考え。

「不安」について学習しました。詳細は割愛しますが、不安に対しては、以下のような行動をとります。
(1)選択的注意、(2)回避、(3)安全希求行動

不安につての公式があり、

不安の強さ = 起こる見込みの知覚 X 起こったときの恐ろしさの知覚

対処能力の知覚 + 援助の知覚サポート要因

今回の学習で上述(赤字)をピックアップします。
『認知の歪みの定義』が10パターンに分類されます。
非常に興味深いので、皆さんも知っておいて損はないでしょう。

対処方法について追記(2011/10/20)

 1. 全か無か

物事を白か黒かでとらえる。曖昧な状態に耐えきれず、極端な考え方で割り切ろうとする。
(例:もしも少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう)
→対処:中途半端を認める。
完全主義に多い。

 2. 一般化のしすぎ

少数の事実を取り上げ、全てのことが同様の結果になるだろうと結論づける。
(例:一つのプロジェクトが思ったように進まないとき、過去の失敗を思い出して、自分はいつも失敗すると考える)
→確率をきちんと考える。データを拾って等身大の法則を考える。

 3. 心のフィルター

たった一つのよくないことにこだわって、そればかりくよくよ考える。そのために現実を見る目が暗くなる。ちょうどたった一滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように。
(例:通勤訓練1週間のうち一日だけ行けなかったことばかり考える)
→対処:等身大に解釈する。
→いやな感情になるものだけがフィルターを通過してしまう。そればかりではないことに気づかない。
→対処:客観視する。

 4. マイナス化思考

良い出来事を無視する。何でもないことも良いことも悪いこと(マイナス)に化ける。
(例:「その洋服、似合っているね。」と言われて、「私がダサいから慰めてくれているんだわ」)
→標準的にはよい感情になることまで悪く捉える。
→対処:客観視する。

 5. 結論の飛躍

根拠もないのに、結論を出す。悲観的な結論に一足飛びにジャンプする。
a.心の読み過ぎ:深読みしすぎ
 (例:挨拶されなかった→「私は嫌われている」)
→対処:よい方に解釈する。(そのままにしておくと膨らまない)
→人に配慮する。気遣いをする。自分の言いたいことが言えない。コミュニケーションが受身になる。生活に支障が出てしまう。
→対処:等身大に考える。なんとかなるさ的に。
※実際に相手から嫌われていることが事実だとしても自分の感情が悪くなっていることは認知の歪みと解釈すること。

b.先読みの誤り:事実は悪くなると決め付ける。(変な占い師みたい)
 (例:この先、私は決して幸せになれない)
→対処:考える時間を短くする。
     :俯瞰的に客観視する。

 6. 拡大解釈・過小評価

自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。
(例:できている仕事にはたいしたことはないと考えて、小さなミスを犯したとき「もうおしまいだ」と考える)

 7. 感情的決め付け

そのときの自分の感情に基づいて、(感情を根拠にして)物事を判断する。
(例:「こう感じるんだから、それは本当のことだ」)
→対処:データを取り出し(いつもそうではない)、修正する。
    :データ通りに解釈する。
    :元々の感情を思い出す。
→感情的になると物事を悪く捉えてしまいループ状態になる。
→対処:客観視する。

 8. すべき思考

「~すべき」「~すべきでない」と考える。そうしないと罰でも受けるかのように感じ、罪の意識を感じやすい。他人にこれを向けると、怒りを感じやすい。
→対処:できたら・・・いいのに(had better)思考
→がんばりやさんに多い。
→対処:したいなぁ、できたらいいなぁ
※締め付けても(すべき思考)であってもゆるめてもパフォーマンスに変化はない

 9. レッテル貼り

極端な形の「一般化のしすぎ」。ミスを犯したときに、様々な理由を考える代わりに、自分のレッテルを貼る。
(例:「自分は落伍者だ」「怠け者」、他人には「あのろくでなし!」)
→対処:人ではなく行動で判断する。
→対処:全部を塗らずに、あの時のあの行動が不適切だという意識に変える。

10. 個人化

良くないことが起こると、すべて自分のせいにする。様々な理由があるにも関わらず。
→対処:等身大に捉える。
    :いろいろな考えが重なって起きるのだから、万能感を捨てる。

→責任感の強い人に多い。
→対処:等身大のものを引き受ける。他人のことまで受けない、背負い込まない。

どうでしょう。当てはまることがあるのではないでしょうか?
(2011/09/30 21:48)
追記:(20011/10/20)


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