回る回る 2011
9/21
水曜日

※P.S.イギリス版のオープニング動画を見つけましたので、下段に追加しました。(2011/09/22)

台風の影響か、昨夜からやや激しく雨が降り続いています。

唐突に僕が変なのは、皆さんご承知置きのことですが、
変態なりに「何が好きか?」と問うて下さるのなら、
まわる”ものが異常に好きと答えます。

どのような類か好きなのかと申しますと、部屋にあるものでは、いずれも中古品で格安ですが
以下のものが該当します。




(1) オープンリールが付いたテープデッキ
(30代以前のかたはまず知らない死語ですが・・・)

オープンというのは磁気テープがカセットテープのようにケースの中に収まっているのではなく、リールには巻かれているものの磁気テープがむき出しになっています。ですから、「オープン」といいます。
オープンリールを床に転がすと大変です。
磁気テープがパラパラと外れてしまうからです。


(2) レコードプレイヤー
まだ、ご存じの方は多いでしょう。
レコードの製作原理を大雑把にいいますと、音源を直接カッティングマシンを用いて円盤状に音を刻み込みます。カッターマスターというマスター盤が作られました。次にマスター盤からプレス用のスタンパー盤を作ります。凹凸が逆になります。これを塩化ビリール等の塊にプレスすることでレコード盤が出来上がります。そして買ってきたレコードにを針を落とすと擦りますから、溝の深さ、幅、揺れに応じた音を再生します。この溝は簡単にいうとV字谷でステレオの場合は、RとLがそれぞれの側に刻まれます。また針でビニールをガリガリ引っ掻きまわすことになりますから、レコードを再生すればするほどレコード盤は傷みます。レコードは溶かせば再利用が可能ですから、ある部分ではエコ商品であったと言えます。
(20歳以下の人はあまり知らない人も多いでしょう)

ウンチクは置いておきましょう。

「まわる」に次いで大事なポイントは、そこそこに大きくなければなりません。
直径は10号リールは約が27cm、LPレコードは30cmほどです。
そこそこ大きいのです。

CDやDVDは小さすぎて、速すぎて、見えなくて、惹かれません。
論外です。

そうです。ある程度大きくて、回るというのがキーとなります。
くるくる回るのを見ていると安らぎを覚え、リラックスすることができます。
何時間も見続けることは特技です。
いや才能です。

ひょっとして、それ以外の何か理由があるのでしょうか。

子供時代、「ジョー90」という人形劇がありました。
 ※ (1968年10月2日~1969年3月26日にかけて30話が毎日放送で放映(ウィッキペディア参考))
小学1年生の頃に見ていました。

主役の子供がクルクル回る球体に入ることで、目的に応じた能力が脳に転写されます。
ここで主役のジョーは9歳で、生意気にも諜報部員で、子供は警戒心を抱かせないのをいいことに、小柄なことをいいことに、大人は都合良く利用し、相手に隙を与えている間に、電子メガネを掛けては問題を解決するのです。

同じ子供なのにジョーだけこんなことが出来るのはすごい、でも悔しいと思いました。
そして同じ能力を身につけたい一身で、「電子メガネ」をなんとかして手に入れること出来ないだろうか、と真剣に悩んだことがあります。

そうすれば宿題をしたり、授業を聴くこともなく、そのメガネさえ掛ければ、いつでもALL OKではないか、と想像していました。
明らかにズルですが、このほうが楽です。

何を言っているのか、まったく判りませんか。
ウィッキペディアの解説では、
【ストーリー】マックレイン教授の自宅にある発明品ビッグラット(BIGRAT:Brain Impulse Galvanoscope Record And Transfer)。周りを囲む球形の枠が回転し、磁気テープに記録された各分野のプロフェッショナルの能力を、中央の椅子に座った別の人間の脳に外科的手段を経ずに転送する機能を持つ。人間をPCに見立てて、場合に応じて能力(ソフトウェア)を人に転移(インストール)させるというものである。教授の養子である9歳児・ジョーは、これと電子メガネを使って諜報機関WIN(World Intelligence Network)のスパイ90号になり、時には「子供だからノーパスで通れる所」「小さな子供だから入れる所」で活躍する。とあります。

何故、オープンリールテープデッキに魅力を感じるのかがハッキリしました。
既に皆さんはお判りでしょう。

クルクル回る”と”磁気テープ”がまさに見事なまでに合致しているではありませんか。

ジョー90の影響をまともに受け、「まわることはいいことだ」と脳裏に鮮明に「擦り込み」されたからでしょう。
厳密に言えば違いますが、心理学用語でいうところの『インプリンティング』に近いかもしれません。
初体験は忘れられないものですが、これは『インプリンティング』ではありません。
インプリンティングは、若かりし頃、社内の選抜教育で慶応大学の山上精次教授に教わったことがあります。

または『一種の洗脳』ではないのか、と考えられます。
『ポジティブなトラウマ』と言えるかもしれません。

ルーツはここにあったのです。
モヤモヤが一瞬に霧消しました。

では、「ジョー90」のオープニングをご覧下さい。
カット割りも斬新でテンポよく、音はシックスティーズそのものです。
詞に関しては文句のつけようがありません。
子供の時は白黒でしか見たことがありませんでしたが、究極はカラー映像です。
そして、なんとステレオバージョンです。
お勧めです。
(2011/09/21 6:47)


※動画途中にテープデッキのテンション/シャフト・アーム(テープのたるみを取る)やガイド・ローラ(走行のムラを吸収)のカットが挿入されています。しかし、磁気テープがこれだけクネクネ緩んでいるのは尋常ではありません。あのゆるみをとって滑らかにテープ走行させてやりたいと親心が芽生えます。

※この英国版オリジナルテーマソングも風合いが違い魅力的です。また動画後のクレジットタイトルはロールしない固定ですが、この当時は「カラー放送」を強調しているのでしょうか、バックの背景色が赤、オレンジ、青、緑と変わります。当時、初めてカラーテレビを観た方は感激するでしょう。丁度、ウルトラマンのオープニングと類似しており(ウルトラマンの放映開始が1966であり、ジョー90より先に放映されています)、私もウルトラマンを初めてカラーテレビで観たときのオープニングのオレンジだった記憶だけは消え去りません。現代の人々には理解出来ないでしょうが、白黒からカラーテレビになった時の衝撃と感動に打ち震えたものです。





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