『思い出残存量』 2011
9/5
月曜日

朝の寝起きが悪い。
頭の中が霞がかかったように、そして靄がこびり付いている。
調子のいい状態ではロボットのようにバチッと目が開くというのに。

暫くして、朝食兼昼食をとった。
冷凍チンご飯にじゃこと醤油をぶっかけて、一気にぶっ込んだ。
何もしたくない。
時間は遅々として進まない。
オープンリールのデッキをかけ、10号リールが回り続けるのを何時間も見続けた。

さて、人にはそれぞれ思い出がある。
生きている人、死んでしまった方、親、兄弟、子供、恋人、友達、同僚・・・・
嬉しかったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、つまらなかったこと、感動したこと、泣いたこと・・・・
さらに、場所にも思い出がある。
思い入れがある場所、落ち着く場所、怖い場所、ときめきの場所・・・・それぞれに。

生きていく上で、思い出に浸りきりで、後ろ向きばかりではいけないが、思い出のない人生も味気ない。


唐突に、ここで異性(結婚後を除く)に対する『思い出残存量』というのを定義してみたい。
公式を導き出した。
以下のとおりである。

交際期間(days) x 場所差異による思い入れ度合い(%) x 愛圧(dB) = 思い出残存量(mm OMD) ※OMoiDe

喧嘩の回数(the number of times)

つまり、お付き合いの期間が長いほど、場所の思い入れ度合いを勘案しながら、愛のパワーが強いほどに比例し、また喧嘩の回数により反比例する。愛圧は経年劣化を考慮することを忘れぬよう。

こうして『思い出残存量』が数量化される。
併せて、『思い出残存量』を計測可能な”思い出残存量測定器”(商品名:愛の陽炎君)を製作した。

話を戻して、”愛の陽炎君”を作っただけで今日も終わりか、空しいじゃないか。
午後3時、気分転換をするため、散歩に出掛けた。

いつもの野鳥保護区を通り、湾岸方面の357号線を廻って、ぐるっと周回するコースだ。

すると、あちらこちらに「思い出汚染」された場所があり、除去されずに残っている。
 あのとき、あそこで・・・・・
 このとき、そこで・・・・
嫌なことに、ところどころに『ホットスポット』的に思い出残存量の高い場所がある。
”愛の陽炎君”のメータがそれにつられて振れる。

僕の部屋も”愛の陽炎君”で測ってみた。
特に、ソファーの上とベッドの上では、メータが振り切れてしまい、測定不能状態に陥った。

大概のことは時間が解決し、心の傷を癒してくれるだろう。
経験則ではそうだ。
また、新しい恋に踏み出せば、一気に思い出の量も低下するだろう。

しかし、今のところ、予定はない。(2011/09/05 18:51) 


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