カミングアウト 2011
8/11
木曜日

 約半年ぶりのブログ。今の私に何が起きていた(いる)のか、カミングアウトしたいと思います。これにより仕事上の不利益が生ずるかもしれませんし、または付き合い方に距離を置かれる等の一抹の不安が無いわけではないのですが、あと働けて10年、隠し通す話でもなく、正直にすべて話して、気持ちを軽くしたいと考えたからです。

 私は、『双極Ⅱ型障害』を発症しており、現在、うつ状態にあります。上長の親身な配慮や、会社の健康管理の指示で、4月からは入社以来初めて「病休扱い」で自宅療養をさせていただいています。今回のうつ状態は昨年6月中旬から14ヶ月連続して続いており、簡略していうならば、暗黒の気分で一切光が射さない世界に閉じ込められた様相です。仕事だけでなく、日常すべての事柄に普通に振る舞おうとすると、反動で莫大な疲労感と絶望感を伴ってヘトヘトになってしまいます。自分では気分のコントロールがうまくできなくなっているのです。脳の「神経伝達物質」バランスが崩れてしまっているのだそうです。

 病名について若干解説しますと、『双極性障害 (英: bipolar disorder)』は 、躁状態 (躁病エピソード) およびうつ状態 (大うつ病エピソード) という病相 (エピソード) を繰り返す精神疾患であり、気分障害の一つである。統合失調症と並び、二大精神疾患と言われている。古い呼び名では躁うつ病あるいは他の名称として双極性感情障害とも言う。
 双極性障害は、躁状態を伴う双極Ⅰ型障害と、軽躁状態を伴う双極II型障害に区分される。
躁状態、または混合状態が1回認められれば、双極I型障害と診断される。うつ状態と躁状態が、症状のない寛解期をはさみながら繰り返していくことが多い。躁状態あるいはうつ状態から次のエピソードまでの間隔は平均して数年間である。また、うつ状態と躁状態の症状が混ざって出現する混合状態 (混合性エピソード) が生じる場合もある。
これに対して、うつ状態軽躁状態のみが認められる場合を、双極II型障害と呼ぶ。軽躁状態は、患者や家族には病気とは認識されにくいため、自覚的には反復性のうつ病であると考えている場合も多い。(ウィッキペディア抜粋)


 私は15年前(1996年)に仕事のプレッシャーからうつ状態となりました。厳密ではないですが軽躁状態(3年)、うつ状態(2年)と5年間隔で繰り返しています。寛解期(一時的に症状が消失してみえる安定した時期)はほとんどなく、鬱か、軽躁のどちらかに倒れています。余談ですが、最初はうつの症状により精神科等を受診しますので、「鬱病」と診断されることが多く、私の場合も双極Ⅱ型障害と診断されたのは昨年の暮れでした。実に発病から14年が経過していたことになります。これは「軽躁状態」の時は日常生活に全く支障がないと感じていますし、本人はまったく自覚がないため、軽躁状態に気付きにくいといったこともあります。「自覚的には反復性のうつ病であると考えている場合も多い」と誤診される所以です。「鬱病」と「双極性障害」の治療薬は基本的に違いますが、当初は抗鬱剤・抗不安剤を投与されていました。双極性障害にはもともと抗鬱剤はほとんど効かず、私の場合も服用によって症状(気分)の改善はまったく見られませんでした。つまり適切な治療が行われずにいたのです。双極性障害は診断が難しい病気ということになります。

 さて、今回のうつ状態に極性が転じたのは4回目です。過去の3回は死に物狂いで仕事に行きました。うつ状態であることを知られたくなかったですし、そのようなことで仕事を休むのは情けないと思い込んでいました。「最近、元気がないね」と言われることもありましたが、何食わぬ顔でやり過ごしていました。しかし、普段ならポジティブに先に先にこなせていた仕事がどうしても後手に回ることが多くなったり、プロジェクトでのリーダシップを率先して実行できていたという自負はありましたが、リーダとしてメンバへの指示が曖昧となり、そして傾聴、コミュニケーションが少なくなっていたと振り返ると感じます。今回の自宅療養は「そんな状態でよい仕事はできない」「歳も取ったのだから割り切って休養する」「君がひとりいようがいまいが仕事は淡々と進んでいく」と自分を戒め、慰めるようにしています。

■うつ状態の私の症状は暗闇です。
 ・疲労感
 ・気力低下
 ・気分混沌
 ・鬱蒼状態
 ・集中力欠如
 ・焦燥感
 ・他人(親しい人を除く)との会話が恐怖
 ・思考鈍化、または停止
 ・睡眠過多
 ・体重増加(運動量の激減とカロリー摂取量の増加)
 ・楽しみの喪失(普通に楽しめていた趣味をしても全然楽しくなく、したくない)
 ・気晴らし不可能(気晴らしに何かやっても気分転換できず)

■軽躁状態の私の症状は、毎日が多幸感に満ち溢れた気分になります。
 ・気分爽快
 ・高揚感
 ・やる気満々
 ・行動するのが全く苦にならない。
 ・読書中毒
 ・短時間睡眠(5時間で充分)
 ・話題転換の激化(話が飛びやすい)
 ・多少の浪費癖(本をまとめ買いする等、購買判断の躊躇欠落)

 今後の治療では、躁とうつの波をどのようにコントロールするか、が治療目標となります。しかし根本原因も解明されていないのが実情です。私自身、一生この病気と向き合う必要性を認識しています。双極性障害など気分障害は発病していない方々には理解し難いものだと思います。気分が楽なとき、また、うつ状態を脱したらブログも書きますので温かい目でみてやってください。(2011/08/11 11:43)

※参考
 双極性障害(ウィッキペディア)
 躁うつ病 (双極性障害) とつきあうために(日本うつ病学会双極性障害委員会編)


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