『十善戒(じゅうぜんかい)』 2010
8/2
月曜日

 明日まで忌引で休みなのだが、何もする気が起きない。暑いのもあるが、このようなときは静かに佇んでいよう。そういえば、お通夜、葬儀の時に住職さん(高野山真言宗 天龍山薬師院神宮寺)がお経を唱えるときにも、焼香する場合も、これはこういった意味があって、故人に対してこういった敬う気持ちや願いを込めてお祈りして下さいと解説があった。

 その中に人生の質を高めるための教えとして『十善戒』が心に残ったので、それを紹介しようと思う。「追善供養」とは、故人が無事にあの世(仏さまの浄土)にいって(大宇宙に帰って)成仏し、安楽になるようにと、この世に残る者が善い行いを後から追い行うもので、真言宗信徒の生活信条であって「生かせのいのち」の考えに基づく人生の教えということらしい。

不殺生 ふせっしょう 「理由もなく無益な殺生をしていないか」と自分自身に問いかけてみよう。「生きているものの命のすべてを大切にしよう」
不偸盗 ふちゅうとう 「他人の物、公の物を盗んではいないか?」「親から、ご先祖様から、そしてこの宇宙そのものからいただいた自分の一生の大切な時間を無駄にして盗んでしまっていないか?」「人の時間を盗んでしまっていないか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不邪淫 ふじゃいん 「人間としての正しい愛情生活をしているか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不妄語 ふもうご 「嘘偽りを言っていないか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不綺語 ふきご 「心にもないことを言って人を迷わせていないか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不悪口 ふあっく 「人の悪口や陰口を言ってはいないか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不両舌 ふりょうぜつ 「あちこちで信用を失うようなことを言っていないだろうか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不慳貪 ふけんどん 「けちけちしていないか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不瞋恚 ふしんに 「日常生活の些細なことで、かっかかっかと腹を立てたり、怒ったりしてはいないだろうか?」と自分自身に問いかけてみよう。
不邪見 ふじゃけん 「正しい考え方を持ちながら生きているだろうか?」と自分自身に問いかけてみよう。

 ここで大事なことは、誰かに言われてするとか誰かに対してこうしなければいけないというのではなく、あくまで自分自身で決めて自分自身が守っていく決め事であって、「戒(かい)」の修業規則を守ろうとする自発的な精神に基づく戒めなのだそうだ。守らなければ罰則があるわけではなく、できることから始めることがポイントで、「明日をどんな一日にしようか?」と前向きな気持ちにつながっていくように、それらの積み重ねが自分自身の人生そのものの質につながっていくと結んでいる。(2010/08/02 21:20)


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