『冬 プリズンホテル【3】』浅田次郎著 2010
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水曜日

 冬の厳寒、雪景色に佇む温泉宿は情緒溢れる心と身体を癒す場所だろう。実に乙なものではないだろうか。浅田次郎氏の『プリズン(監獄)ホテル』シリーズは3冊目。季節は夏から秋、そして冬を迎えている。相変わらず、男と女、親と子、それら愛情と渇望が入り混じる。見かけは岩窟的風体でも暖かな血潮が流れる渡世人の織りなす人間ドラマ。真っ直ぐな人々。主な登場人物の生い立ち、造詣も一刻と浮かび上がり、そして新たなハプニングを巻き起こす人物たち。感情移入が下手な方でも人間の本心が見せる愛情劇にくらっとするのは僕だけではないだろう。実に嵌るシリーズで、残す季節は「春」のみとなってしまった。名残惜しいじゃないか。(2010/06/09 19:32)

内容(「BOOK」データベースより)
阿部マリア看護婦長、またの名を“血まみれのマリア”は心に決めた。温泉に行こう。雪に埋もれた山奥の一軒宿がいい…。大都会の野戦病院=救命救急センターをあとに、彼女がめざしたのは―なんと我らが「プリズンホテル」。真冬の温泉宿につどうのは、いずれも事情ありのお客人。天才登山家、患者を安楽死させた医師、リストラ寸前の編集者。命への慈しみに満ちた、癒しの宿に今夜も雪が降りつもる。

文庫: 320ページ
出版社: 集英社
言語 日本語
ISBN-10: 4087473589
ISBN-13: 978-4087473582
発売日: 2001/9/20

冬 プリズンホテル(3) (集英社文庫)

4087473589

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