『BITS 2010』フォーラム参加 2010
6/4
金曜日

 日本ユニシスグループが主催するクラウド&ICTサービスと銘打った『BITS 2010』がANAコンチネンタル ホテル東京(港区赤坂)で開催され参加した。興味があったのはグリーンICT、環境への取り組みだった。

 午前中は地域別に分科会でチームを組んでテーマを選定し、検証し、評価の発表だった。皆さん、試行錯誤しながら苦労しながらテーマを掘り下げていた。
 □グリーンICTへの取り組み ~「小さなeco」から「大きなeco」へ~
 □ICTによる地域活性化 ~携帯電話の活用による農産物直売促進~

 午後からは、基調講演があり、TVでコメンテーターとしても活躍中の国連環境計画 金融イニシアチブ特別顧問 末吉竹二郎氏を迎えて『温暖化時代の新しい経営競争』を聴いた。金融というものが社会の環境にどのように関わるのか。また投資家が従来の儲けてくれる企業に投資するのではなく、未来の地球環境に、環境に社会に貢献する企業への投資が積極的になりつつある世界の潮流を紹介していた。それらが社会へさまざまな影響を与え始めた。日本は環境に対する優れた技術力を持っているのだから、それを世界のために、未来のために役立てていきましょうよ、持続可能な社会を築いていきましょう、と締めくくっていた。以下はメモから抜粋。

■経営を動かす社会の流れ
-グリーン金融の圧力
SECの歴史的転換
2010年1月のガイドラインの見直し
 ・上場企業の情報開示に気候変動関連情報を求める
 ・機関投資家からESG情報開示の圧力
 ・ルール化への議論
 ・非財務情報を出して貰わないと的確な投資判断ができない。
 ・背景として温暖化対策を採らないとといった動き・流れが株主提案に出てきている。
 ・気候変動がもたらす情報を開示せよと損保会社に迫っている。

■2つのイニシアチブ
1.責任投資原則(PRI)
  :エンバイロメント(環境)
  :ソーシャル
  :カヴァナンス

→企業がどれほど社会的責任を果たそうとしているのか、投資判断となってきている。

2.カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)
 ・連盟で企業に質問状を送り回答を社会にオープンにした。(2003) 
 ・儲かるから投資家が投資をする時代は終わった。
 ・環境に真剣に取り組む企業ほど持続可能な社会を役立つし、その企業に投資する流れ。
 ・投資判断の基準が変わってきている。
 ・受託者責任の見直し(Fiduciary Respoinsibility)
 ・現在、ESGを積極的に採用することが法的にも求められてきている。
 ・お金をお金以外で測る。
 ・グリーン金融の広がり
  1.赤道原則(2003)
  2.炭素原則(2008) 石炭発電への厳しい対応
  3.気候原則(2009)
  4.UNEP FIの活動目標(2010)

■グリーン消費革命の進展
 ・2つの壁「手の届く値段&環境情報」
 ・カーボンフットプリント
 ・フードマイレージ
 ・LOHAS層の台頭
 ※自分の消費行動に健康問題、環境問題を基準にして、値段や性能だけでは判断しない消費者層。

■ウォール・マートの実験<Sustainability Indexの導入へ>
・顧客は、より効率的、より長持ちし、よりよく機能する商品を求めている。
・より透明なサプライチェイン、より革新的商品、商品の持続可能性を評価できる情報を提供する

■社会が抱える地球規模の課題
 ①地球温暖化
  ・緩和策から、適応策へ
 ②エコロジーの限界
  ・エネルギー/資源/水/食料の枯渇・危機
  ・エコロジカル…サービスの過剰消費
 ③貧困・感染症・格差・人権

■経済の入れ替え
 ①20世紀型経済の限界
  ・経済成長至上主義
  ・短期利益/自己中心/環境破壊
 ②21世紀型経済の創造
  ・長期的価値/包摂的/環境保全
  ・経済と環境と社会のバランス

■始まった「Co2本位制」 -判断の基準にCo2
 ①国家戦略
 ②産業や経済戦略
 ③課税の基準
 ④企業戦略
 ⑤バリューチェーン
 ⑥職場選択

■日本の弱点
 ①2つの対比
  ・短期と長期 長期で見る視点
  ・内政と外圧 日本は外圧に弱い、外から言われる方が強い、自ら役割を果たす
  ・実績とヴィジョン 
  ・既成事実と法的手当て
  ・日本と社会
 ②自己矮小化が過ぎる日本

 続いて、カーボンフットプリント その後の経過・今後の見通し~カーボンフットプリントとはどのようなものか、その制度と企業が取り組む意義そしてICTにおける実践例~
 
 CFP(カーボン・フットプリント)の動向について拝聴した。CFPとは「商品・サービスのライフサイクル全般で排出された温室効果ガスをCo2総棟梁で表現したもの」で各国が取り組んでいる。内容は、商品・サービスにCO2排出量を表示するカーボンフットプリント(CFP)制度について、我が国では2009年3月に策定・公開された「CFP制度の在り方(指針)」や「商品種別算定基準(PCR)策定基準」等に基づき、2009年度より試行事業が実施されているが、試行事業の内容を中心に、同制度のその後の経過や今後の見通しについての紹介。また、サービス商品として初のCFPマーク使用許諾を受けた日本ユニシスの「ICTホスティングサービスのCFP」について概要が紹介された。これらも大事な取り組みだと思うね。まだまだ課題もあるけれど、ひとつずつ解決しながら推し進めていってほしいですね。(2010/06/04 20:31)


Copyright (C) 2010 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.