粛静な夜だ。一人静かに部屋のソファに寝転び、ダン・シモンズ著作の『夜更けのエントロピー』の一篇、「ケリー・ダールを探して」を一気に読んだ。

　こんな時、添え物として、ＢＧＭを忘れてはならない。今夜は、”ビートルズ・オルゴール・アンソロジー”をおかずにする。メインは本であって、音楽は副菜だ。遥か昔の話し。僕がまだ５歳の頃、幼稚園では夏の間、「お昼寝の時間」というものがあった。僕はいつも眠れず、目だけ瞑って寝たふりをしていた。その時、時折、ヘイジュードがＢＧＭで静かに流れていた。・・・いや待てよ、ヘイジュードは１９６８年の作品だ。僕は小学一年生だ。じゃ、あの時、聴いたと記憶している曲は何だ？誰か教えて。いやいや、あれは、ベートーヴェンの「エリーゼのために」だったような気がする。(2010/04/26 23:11)