『屋根裏の散歩者』江戸川乱歩著 2010
4/19
月曜日

 江戸川乱歩ベストセレクション3『屋根裏の散歩者』を読んだ。ご存じ、名探偵、明智小五郎が登場する。作品は、2篇が収められている。
 ◇屋根裏の散歩者(昭和元(1925)年8月)
 ◇暗黒星(昭和14(1939)年1月~)

 「屋根裏の散歩者」は昭和元年の作品と思えば凄いね、85年前だ。粗筋はばらさないけれど、誰にでも、覗き見的な、他人の無意識な挙動を見てみたいと思うのかもしれない。はたまた、得も言われぬ情事を見るというのもどうだろうか。下宿屋の屋根裏から他人の部屋を閲覧・徘徊する話し。そして、ふとしたことから毒殺を思いつく。これ、必殺仕掛け人でも使われてますね。

 「暗黒星」は推理小説、少年小説でも頻繁に登場するご存じ、名探偵、明智小五郎が頭脳明晰に理路整然と摩訶不思議な殺人の種明かししていく。2時間枠のTVサスペンスドラマで最後に「実は・・・」のネタバラしして、「あっ、そうか」と思うか、「実はちゃんと僕には判ってたのさ、ハハハ・・」ってなるか、トーンは似ている。(僕はこの路線は基本好きじゃない) しかし、それが推理小説の醍醐味なのだろうね。ということで暫し「江戸川乱歩」ベストセレクションは続くのである。(2010/04/19 20:58)

文庫: 241ページ
出版社: 角川グループパブリッシング
ISBN-10: 4041053307
ISBN-13: 978-4041053300
発売日: 2008/9/25

■内容(「BOOK」データベースより)
世の中の全てに興味を失った男・郷田三郎は、探偵・明智小五郎と知り合ったことで「犯罪」への多大な興味を持つ。彼が見つけた密かな楽しみは、下宿の屋根裏を歩き回り、他人の醜態をのぞき見ることだった。そんなある日、屋根裏でふと思いついた完全犯罪とは―。表題作のほか、とある洋館で次々起こる謎の殺人事件を描いた「暗黒星」を収録。明智小五郎登場の江戸川乱歩ベストセレクション第3弾。


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