カオス 2010
4/8
木曜日

 カオスとは、「ギリシア人の考えた、宇宙発生以前のすべてが混沌(こんとん)としている状態。混沌。無秩序。」という意味。新しい職場は、ビジネスを創出していく役割も担っている。毎日、新しい用語や横文字で、頭が沸騰気味だ。しかし、「待てよ・・」みたいな逆ベクトル的な気持ちが心の奥底に蠢いていて、どういうことか、っていうと、今、景気は宜しくない、悪い。どこもかしこも、顧客の嗜好やニーズ、購買履歴を分析して、”あなたにはこういった商品がお勧めですよ”とやっている。”One to Oneマーケティング”と呼ばれていて、顧客からすると、あたかも企業と一対一の関係を築き、既存の顧客の忠誠心を高めようとしている。こういった手法にデータマイニングという分析技術に予測を組み合わせていくことが、近年、主流。例えば、僕も頻繁に利用する”Amazon(アマゾン)では、必ず、「こんな商品も買ってます」といったリコメンドされ、クラスター化されたパーソナライズドされた売り込みを、さりげに展開しているんだよね。Webを介在した電子商取引では、花盛り。(知ったかぶりはやめなさい、見苦しい・・・)

 でもさ、お金を払う一般市民を、いくら囲い込みや差別化・優位化をしても、全体のパイは大きな増減はないのじゃないかな。重要顧客として位置づけられ、傾向分析された結果をもとに、ダイレクトメールや、ターゲット広告が展開されいる。でもさ、あれやこれやと勧められても、僕の場合は、かえって、うざったいと感じるときもある。皆さんがアクセスするWebサイトでは、カテゴライズされ、特化された”買うことの確率が高い商品が否応がなしに表示されている。それだけでいいのかな。あらゆる企業が新規開拓路線は継続しながらも、既存顧客の囲い込み、他企業への顧客の流出を食い止めることに躍起になっている。従来の「気合い営業」「顧客のいいなり営業」から「顧客と自社の価値を最大化する」戦略を練りに練っている。だけどさ、何か、心の通わない取引になっていると思わない?

 大阪では、商売では、「にいちゃん、まけて・・・」と駆け引きがあり、「勉強してや・・・」と人間対人間のやりとりがある。そこに、「売る側」、「買った側」も得した気分にさせる独特な風土、伝統があるじゃない。世の中が技術的なバックボーンに支えられながら、昔は出来なかったことが簡単に便利にできるようになったよね。これはすばらしいことではあるし、恩恵も受けている。でもそれって、それでいいの?もっと心と心の触れ合いを人は求めているのじゃないの?って気持ちがしないでもないよね。追従と、さらなる独自性のあるサービスをしないとダメだ、ってことだろうけれど、ほんとうに競争社会が生み出す低価格・サービス過剰傾向に、僕は逃避的になっているのかもしれない。これら漠然と思うことは「生きていく上でそんなに大事なことなの?」と素朴に感じることが多々あるのだよね、なんてぼやきながら、混沌とした気分だ。(2010/04/08 21:00)


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