講演会<森のめぐみと国産材活用> 2010
3/26
金曜日

 港区「エコプラザ」で講演者に有馬孝禮氏(東大名誉教授/宮崎県木材利用技術センター所長)をお迎えしての講演会を拝聴した。語りがシャープながら、大変判り易い熱弁だった。

 木は、水と太陽の光を受けて光合成をしながら成長する。ご存じのように二酸化炭素を吸収して、酸素を放出する。切り出された木にも炭素は蓄積されているわけで、燃やされれば再び二酸化炭素は放出されるが、木の利用を促進し、居住空間や家具として、もっともっと材をたくさん使うことで、炭素を固定化しよう、そうしてCO2の排出量削減にも寄与しよう、温暖化の拍車にブレーキをかけよう、簡単にいうとね。京都議定書の第二約束期間でも、プロダクトや居住空間の材も議論をすることを確約しているようだ。

 有馬先生の話では、「低炭素社会」と言われるが、それは「低二酸化炭素社会」「高炭素貯蔵社会」ということで、木材産業・木造建築を炭素保管産業としてとらまえていこう、とのヴィジョンがある。

 ハツカネズミを使った有馬先生が行った実験では、コンクリートと杉、コンクリートとヒノキ、など、一つの部屋を材質を変えた区切った中にハツカネズミを入れると、ほとんどのネズミがコンクリートより杉に集まる。材質別につがいを放ち、出産したハツカネズミの成育状況、生存率を調べた。温度にも依存するが、母親が授乳する時間に差が出て、コンクリートでは10日足らずで生存率が4%まで下がったのに比べ、杉の部屋では生存率は90%だった。杉の比重が3割と軽く、気泡もあり、熱伝導率の違い(冷たくない)や湿度調整機能があることが、母親ハツカネズミが授乳する時間にも影響し、結果的には上述のような結果となったようだ。

 確かに、杉に囲まれた、ここエコプラザの部屋も落ち着くね。夜、もう1本ブログを書く予定。(2010/03/26 18:10)


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