「銀座でフランス料理の店を開こう」と横浜で料理を学んだ木田元次郎さんが、松屋の近くに小さな店を構えたのは1895(明治28)年のこと。実に今から115年前のことだ。ポークカツレツに天ぷらからヒントを得て、豚肉に、生パン粉の衣をつけて揚げたこと、「ご飯がたべたい」との要望に、ナイフとフォークで食べられるようパン皿に盛りつけたこと、付け合わせの温野菜を作るのに手間を省こうと、千切りキャベツを盛りつけたこと、これらの考案は、歴史ある洋食「煉瓦亭」が初めてだった。
そんなこともあって一度は元祖洋食を味わってみたいと出かけた。意外に外見も内装も古風で、頑なに伝統を守り継いでいる雰囲気だ。キャッシュレジスターは昭和30年代の代物で、未だに現役というのも頼もしい。
味もオーソドックスだけれど、日本人の舌に合わせた工夫がオリジナルを生んだ。明治時代の日本人たちはハイカラに洋食を食べたのだろうと夢想すれば、感慨深いよね。
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これはメンチカツ(左半分)+ポークカツレツ(右半分)のハーフ&ハーフ、つまりオートクチュール的合作メニューだ。一回で二度美味しい、ってことだね。(2010/03/11
22:54)
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