1.生物多様性
多種多様な生物が関わりあいながら存在していること。生物多様性条約では、次の3つのレベルで捕らえられている。
①種内の多様性:同じ種であっても、生息環境により形質等に違いがあること。
②種間の多様性:様々な種の生物がいること。
③生態系の多様性:複数の生物か関わりあうシステム(生態系)は、地球環境に応じて多様であること。 |
2.生態系サービス
人類が生態系から得られる恵みのこと。2005年の国連の「ミレニアム生態系評価」報告書(Millennium Ecosystem Assessment,MA)では、生態系サービスを以下のように分類して説明している。
①供給サービス:生態系から得られる素材や製品(食料、淡水、木材、繊維等)
②調整サービス:生態系が自然のプロセスを制御することから得られる恵み(気候調整、疾病予防、水土保全、天災緩和等)
③文化的サービス:生態系から得られる非物質的な恵み(景観、審美観等)
④基礎サービス:他のサービスを維持するための自然の循環プロセス(栄養塩循環、光合成、水循環等) |
3.生態系
一定地域における生物間の相互関係とそれを取り巻く非生物的環境の間の相互関係を総合的にとらえた概念。大まかには、生産者(植物)、消費者(動物)、分解者(微生物)に区分され、分解者から生産者に渡る間は、非生物的プロセスとなる。生物間の相互関係には、捕食、被食、競争、共生、寄生、その他様々な関係があり、実際は複雑かつ多様である。 |
4.持続可能な利用
生物多様性の長期的な減少をもたらさない方法及び速度で生物多様性の構成要素を利用し、もって、現在及び将来の世代の必要及び願望を満たすように生物の多様性を維持すること。(生物多様性条約第2条) |
5.山川草木悉有仏性(さんせんそうもくしつうぶっしょう)
すべての自然の中に仏性(仏の心)が宿っているという考え方。自然の中でわれわれが生かされているという日本人の自然観に通じるものと言われており、里山や鎮守の森など、自然に対する畏敬の念、感謝の念とともに自然の恵みを受けてきた先人たちの生き方の基盤にこの考え方があったと考えられる。山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)ともいう。 |